忍者ブログ

地球日記

三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/

   

中緯度大気海洋相互作用 hotspot2 研究集会@九州大学

お久しぶりです.B4の平賀です.
暖かくなってきましたね!先日,花粉光環を初めて見ることができました.大量の花粉が飛んでいると見やすいそうです(花粉症の方にとってはなかなかきつそうですね).肉眼でも見られるので,気になる方は空を見上げてみてはいかがでしょうか.
それでは,本題に移ります.3月8日から10日にかけて九州大学伊都キャンパスで行われた,中緯度大気海洋相互作用 hotspot2 研究集会に参加しました.
口頭発表では,様々な分野の発表を聞くことができました.特に面白かったのは,神山さんの黒潮とメキシコ湾流の同期現象です.黒潮とメキシコ湾流が北半球環状モードと関係しているという仮説ですが,気候系hotspotと偏西風の相互作用ということでとても夢のある研究をしていらっしゃるなと感じました.この仮説を証明するために,indexの取り方やモデルの扱い方など試行錯誤されており,参考にしたいなと思いました.
富山大の青島さんの研究も面白かったです.SSTとSATの関係を考察しており,29度までは両者に線形的な関係が見られますが,29度以上だとSSTに対してSATが下がるとのことでした.全球規模の気候学的なSSTの研究については,以前から興味を持っていたので,研究の片手間に遊び感覚で調べてみようかと思っています.
新潟大の本田さんの,今年の日本海観測で得られた胃袋型の気圧配置と水温前線との関係についての発表も面白かったです.ローカルな水温前線により風速の変化があり,発散場ができるとのことです.それを観測によって捉えたということでさらなる解析が楽しみです.
そのほかにも,ウォーカー循環に対する各海盆の役割や,梅雨前線と上層の北風の関係,黒海・カスピ海の熱的コントラストに対する大気応答など興味深い研究をたくさん聞くことができました.
ポスター発表では,熱帯大西洋起源のテレコネクションが北極域の海氷に与える遅延影響というタイトルで発表をしました.一番嬉しかったのは,北極海の海氷と東アジアの寒波について研究している九州大の森さんやメキシコ湾流とバレンツ海の海氷について研究している山上さんと議論できたことです.自分の研究をおもしろいと言っていただいたり,助言や疑問点をいただいたりしたので,これからさらに研究を頑張っていこうと思います.
様々な発表を聞いたり自分の発表をしたりして,とても充実した3日間になりました.これから論文も書きたいと思っているので,今回学んだことを参考にできたらいいなと思います.
それでは今日はこの辺で,最後まで読んでいただきありがとうございました.

拍手[4回]

PR

中緯度大気海洋相互作用 Hotspot2研究集会/九大

こんにちは。
最近ボードゲームをやりたすぎてボードゲーム爆買いを検討しているB3滝川です。買ったら同期を捕まえて、ボードゲーム大会を開こうかなと勝手に思っています。楽しみ〜
今回は九大で行われた中緯度大気海洋相互作用 Hotspot2研究集会について書いていきます。初めての九州、初めてのフェリーなど初めてづくしの日々に前日からワクワクして過ごしていました。
そして1日目。ワクワクしたまま九大に着き、想像を超えるキャンパスの広さと綺麗さに感動。街じゃん……と呟きながら会場に向かいました。
今回の研究集会では口頭発表でもポスター発表でも幅広い分野のお話を聞くことができました。
私は今回初めてポスターセッションに参加しましたが、発表者の方々と直接お話できたのと、発表内容をじっくりと見られたのが印象に残りました。口頭発表だとついて行くのに精一杯になってしまうのと、質問も緊張してしまうので、このように自分のペースで考えたり見たりできるのはとてもいいな、と思いました。
それと今回の研究集会ではどの内容も面白かったのですが、特にデータセットや解析手法に興味を惹かれました。同じデータでも解析手法によっていろんな結果が見られて新しい発見があるのを見て早く自分も研究したい!とモチベーションが上がりました。

他大学の同期とも知り合えて、ご飯もおいしくて最高にモチベが上がった三日間でした!

それでは今回はここらへんで、最後まで読んでくださってありがとうございました!

拍手[1回]

中緯度大気海洋相互作用 Hotspot2研究集会@九大

18年間,名古屋に住んでいましたが,三大都市は名古屋ではなく博多でいいのでは?と敗北を感じた3日間でした…
お久しぶりです.
学部最後の投稿になりそうです,B4の山田です.
今回は3月8~10日に行われた,Hotspot2研究集会@九大に参加し,ポスター発表したことについて書いていこうと思います.
1日目
大阪からフェリーに乗って九州入り.そのまま九大に向かいました.着いてまず,広くて大きくて綺麗なキャンパスに驚きを隠せずにいました.あー羨ましい…
初日は黒潮大蛇行が主題のセッションでした.様々なモデルを使った解析の発表が続き,まだ知らないモデルが多かった.もっと勉強しないといけないといきなり思い知らされました.
そして夕方にはポスター発表を行いました.(自分のコアタイムが初日だと知ったのは当日の朝でしたが…)
美山さんや関澤さん,九大の修士の方など今まで話したことのない方からご意見いただけたことがまず嬉しかったです.厳しい意見もありましたが今後行ってみたい解析もいくつか思いつき,楽しい時間でした.また,他大学の同期やその後輩に研究の進捗を話して意見を貰うこともできました.同期からの意見はなんというか,一緒に頑張っていこうという感じがしていいですね.参考になるご意見ばかりでした.
2日目
今回の集会で1番楽しみにしていた東シナと梅雨のセッションが午前中にありました.特に水蒸気の起源の違いを色水解析で示した研究は面白かったですね.自分の研究でも水蒸気の流入は違いが見られそうなので,流入量や持続だけでなく,どこから来るかは気になりました.また,梅雨の研究を行っている人は特に何を注目して研究していいるのかを改めて知ることができました.解析したいことがたくさん思いついたので,ひとつずつ解析していきます.
また,この日の夜は筑波大,新潟大,九大,三重大のB4で「B4会」を行いました.同期最高ですね笑
3日目
最終日は台風がメインのセッションでした.ここでは大気だけではなく海洋からの影響も含めた解析している発表が多く,解析方法や出できた結果の捉え方に注目して聞いていました.今後,海洋の影響も見ていく予定なのでいい勉強になります.
3日間通して,最新の研究結果を学ぶだけでなく,研究のプロセス,モデル解析を特に詳しく学ぶことができたと思います.卒論が終わり,これからの研究の方針を考える時期だったので,この研究集会に参加できてほんとに良かったと思いました.
いい時間ではあったが,九州は遠かった(時間もお金も…)
しかも,美味しいものばかりで食べ過ぎた(もつ鍋,博多・久留米ラーメン,いちご,鶏皮)
しばらくは,もやし食べて節約しないと…笑
今回はこれくらいで.またね.

拍手[2回]

2年目の日本海と耕洋丸船員さんの雄姿

こんにちは、m2山中です。

先日2/24に下関に帰ってきた耕洋丸をお迎えに行ってきました。
その道中で、今年1月の日本海観測を振り返って思いにふける時間があり記事を書きました。せっかくなのでこちらにも投稿します。(写真提供:観測メンバの皆さん)

*写真はクリックで拡大できます*

2023年1月19日から31日に行われた「耕洋丸」の航海観測に参加しました。



この観測の目的は、ずばりJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)をはじめとした日本海での大気海洋相互作用の調査です。ラジオゾンデとXCTD(eXpendable Conductivity, Temperature and Depth)によって空と海の鉛直分布を同時に、高時間分解能で測る!というのが本観測の強みです。



◆この航海では、1時間毎の集中観測を3回実行しました。ターゲットはそれぞれ、①1/21に発生したJPCZ(終息期?)②1/24に発生したJPCZ(最強寒波)③1/27に日本海上に発生した胃袋型気圧配置(極前線またぎ)です。
それ以外の期間は、3時間毎または6時間毎の定時観測を行いました。
また、海洋構造を詳細に測るためのXCTD単独観測も実施しました。


◆満を持してやってきた10年に一度クラスの寒波。
2週間ほど前から強い冬型になることが世界中の数値予報モデルで予報されていました。
高まる期待と緊張!しかし観測チーム、耕洋丸の船員さん、そして陸上支援部隊は2年目ということもあり万全の準備とシミュレーションをすることができました。


◆②1/24に発生したJPCZ観測では、あと少し判断が遅ければだれかが波に攫われていてもおかしくないというほど危険な場面もありました。
時が経つにつれ、どんどんとJPCZが本領を発揮してきました。荒れ狂う海!叫ぶ風!波高は6mを超え、すさまじい暴風雪のなか1時間毎の観測を実行しました。



しかし、観測開始から18時間ほど経った頃には、素人や学生が船外に出ることが安全上難しい状況となり、もはや観測続行は不可能かと思われたそのとき!
一等航海士からのひとこと、「我々にやらせていただけませんか。」なんと船員さんだけで放球作業を行うことで、なんとか観測を完遂させようという提案でした。
激しい暴風雪のなか安全帯を装着しながら懸命な観測を行うこと36時間・・・!
やっとのことで獲得したデータを西川さんがさっそく船内で解析してみると、息をのむほど美しいプロファイルが取れていました。

◆この観測を成功させることができたのは、ひとえに耕洋丸の船員・学生の皆様の尽力があったからです。
また陸上支援部隊(川瀬さん・柳瀬さん・渡邉さん・栃本さん・春日さん)からの情報がなくては、あのような良い位置とタイミングでJPCZを待ち受けることはできなかったでしょう。

◆私は1年前にもhotspot2で実施した日本海観測航海に参加させていただき、修士論文でもその中で遭遇した現象に注目しています。
なぜ2回も乗船することになったかというと、日本海の不思議に憑りつかれているからです。
観測してみて改めて、あるいは初めて、違和感を覚えた昨年に続き、さらなる観測データを収集することで日本海の秘密を解き明かしたい。そんな思いで乗船を志願しました。

◆そこで目にした光景は、日本海から湧き出すあたり一面の湯気でした。
四方八方から押し寄せる湯気、まるで海全体が大きな温泉のよう。



これが雪雲の種か・・・!発生条件はまだわかっていませんが、冬の日本海の秘密をまた一つ垣間見た気がしています。

◆もう一つ、興奮したポイントは③胃袋型気圧配置観測です。
当初、本田仮説では下降気流があるはずなので海況は穏やかだろう、と予想していました。
しかし強風は一向に止まず、一体なぜ?という強い違和感と不安に一同は襲われました。
そんなとき、「ちょうどここは極前線付近だ。もしかしたらあたたかいSSTが風速を強めているのかもしれない・・・」と本田さんが思いつき、他のみんなも「そりゃ面白い説だ!やろう!」と息巻いて1時間毎の観測を決行しました。
するとSSTの急低下と同時に、驚くほど明瞭な風速の弱化が捉えられたのです。なんと!観測しながら新たな仮説を立て、それを確かめるという現場に立ち会うという感動体験でした。

◆・・・まだまだ語りたいことはあるのですが、長くなるのでここで留めておきます。
2023年の日本海観測は文字通りの大成功でした。その耕洋丸の船員さんのためにも一つでも多くの研究成果をあげたいと、下船後より一層かみしめています。

拍手[4回]

GNSS可降水量計を取りに行ったら、すごいものを見せてもらえた

引き続き、m2山中です。
1/13に、藤田さんのGNSS可降水量計を取り外すために、大阪のドックに入っていた勢水丸に伺いました。
なぜ取り外したかというと、冬の日本海を航海する水産大学校「耕洋丸」に移植するためです。


昨年も同じ作業をしたのですが、測量棒のすきまに大量の海水が入り込んでいたのに気づいていなかった(幸いにして測器は無事)という反省をいかし、今年はタオルドライを徹底しました。
また、勢水丸におNEWの乱流フラックス計を設置されるということで、そちらの様子も見学しました。



そしてそしてなんと!普段はぜったいに見ることのできない、船底についている装置を見せていただきました。(チョッサー直々の解説あり)




専門用語が多くてほとんどを記憶することはできなかったですが(チョッサー、ごめんなさい...)、いちばん印象的だったのが
船首側のプロペラに鋭利な刃が付いている!ということです。これは勢水丸独自のこだわりポイントらしく、万が一航行中に漁具が絡みついても、この刃でスパッと断ち切れるんだそう。



ほかにも、ADCPが付いている場所とか、ふだん海面下にいてみえない勢水丸をまるっと見ることができて、最高に楽しかったです。は~大迫力。。



乱流フラックス計設置の監査(?)のために、気象研究所の荒木健太郎さん(当研究室リサーチフェロー)もいらしていて、みんなで大興奮の船底ツアーでした。



関西テレビの天気予報を制作・出演している片平さん(「出てこい、片平くん2号~!」で関西民にはおなじみ)ともお話する機会をいただきました。

研究の世界と広く一般世間をつなぐ架け橋のような存在になりたいという熱い想いを聞かせてもらい、今後も協力していこうというお話を荒木さんや立花先生としているのを私たちはそばで聴いていました。
とても気さく・好奇心旺盛な方で、立花先生と掛け合いの気象番組でもしたら面白そう(相性が良さそう)だな~と感じる方でした。


人と人とのつながりは、何ものにも代えられない貴重なもの。一期一会を感じた一日でした。(誰目線?)

拍手[5回]

最新コメント

[01/11 tropopause]
[09/18 Kajikawa]
[07/25 井上裕介]
[07/25 Kajikawa]
[10/26 緒方]
[10/26 美山]
[10/17 プラダ 店舗]
[10/15 NONAME]
[10/12 juicy couture outlet sales]
[07/11 O型]

Instagram

ブログ内検索

カレンダー

05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

プロフィール

HN:
三重大学 立花研
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
気候について追求する!
自己紹介:
三重大学 生物資源学部
共生環境学科
地球システム学講座
気象・気候ダイナミクス研究室です。

・普段は興味のある気象・気候について研究しています!!

・研究室への質問疑問などなどがありましたら、コメントでも拍手でも構いませんので遠慮なくカキコお願いします!(^0^)ノ

三重大学 Live Camera

空の写真 空の写真 空の写真

Twitter

Facebook

LINE

友だち追加
Copyright ©  -- 地球日記 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]