三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
重ねての投稿失礼します.こんにちは,B4の永川です.
4/17において,山口県にある水産大学校にて行われた,ハビタブル日本豪雨豪雪班の会合に参加してきました.
私個人としては山口県が初めて行く地域であったため,「魚がおいしい」という事前情報の実態を知りたいという気持ちを片隅に抱えながら行ってきました.現地は休市で魚にありつけなかったので,その分しっかり会合での話を聞いてきました.今回はその報告です.
今回の会合では今後行われる観測航海に関しての議論や,観測航海に関連する研究発表などが行われました.観測という点に関してだけでもJPCZといった現象に着目したり,解析データや機器に着目したりと,様々な観点から見た研究発表があり,面白かったです.研究発表の中で気になったものについていくつか紹介させて頂きます.
まず印象に残っているのは2023,2024年夏季における下層雲の変化についての研究です.乾いた空気の取り込みの強さを示す強さであるエントレイメントという指標がSSTと対応しており,この指標が雲の維持や消滅に寄与している,という内容でした.下層雲についての研究というものを耳にすることがあまりなかったので,興味をもって話を聞くことができました.
また,SSTに関連して,2025年2月の帯広での豪雪事例において,北海道の東側で正のSST偏差があったことなどが述べられていました.帯広での豪雪事例については事例の発生以降,様々な方や多くの場で発表されているのを耳にするので,やはり非常に高い興味が持たれているんだなと感じました.
黒潮に関しては,三陸沖において親潮が流入しているということを伺いました.それに伴った観測ルートの変更なども議論されており,観測航海の詳細がかなり可変的であることを改めて知りました.
観測系会議においては,新たに追加された情報の共有やそれぞれの船の間での連絡の取り方,どのような状況では撤退の判断をするか,といったような話が行われていました.それぞれ話にかなり具体性が帯びられており,観測の日が近くなってきていることを肌で感じました.
会合参加期間中の滞在先であった下関は非常に海が綺麗で,魚がおいしそうだなと感じました.また機会があった折にはもう一度市場に足を運んでみたいです.
今回の報告は以上となります.ありがとうございました.
こんにちは,B4の永川です.
気が付いたら夏になっていました…光陰矢の如しを痛感している次第です.
もう先日といっていいか不安なところですが,先日の5/7から5/9にかけて,和歌山県の潮岬で行われたゾンデ講習会に参加してきました.
この講習会,ひいては潮岬自体に向かうのは今回が初めてであったため,ドキドキとワクワクを胸に参加させて頂きました.その報告を行わせて頂きます.
解析ワークショップ&AFESワークショップ
私の振り分けられた班では始めに過去の実習などを通してゾンデで得たデータを用いて解析を行う,というワークショップを行いました.用いたものはPythonコードで,インターネットのつながらない環境を想定して,ローカル環境下で動作するような環境をパソコンに設定するということを事前準備として行いました.普段趣味としてPythonを使うことはあるものの,実際の解析ということをしたことはなかったので,それらに向いたライブラリのインストール方法やそれらライブラリの意味,venvやCondaといった環境の違いなど,準備過程のあらゆる場面が非常に良い勉強になりました.また,準備の過程で一度パソコン内に仮想環境を立てる機会があったのですが,これについても非常に良い勉強になり,「仮想環境ってこういうものだったんだ!!」と,仮想環境そのものについて,また仮想環境を立てる意味や立て方など,試行錯誤を通して様々なことを学べました.余談ですが,今回の準備のあれこれを通して,他大を含めた周囲の方々が「Linuxがいい」といっていた気持ちがなんとなくわかりました.普段扱うコマンドが入力しやすい・・・.
これらの準備を終えた上で,会場では実際にPythonコードを実行し,解析結果の出力,各解析結果の考察などを行いました.今回の解析ではゾンデの軌跡やエマグラムなどが出力されており,それらの図の見方,意味の解説についても行って頂きました.個人的にはエマグラムの図の見方がいつも曖昧になっていたため,今回解説して頂けたのはとてもありがたかったです.今度参加する乗船実習の際にこの知識を活かせたらいいなと思います.また,今回の解説を通して野帳の重要性について理解することができました.今回の講習会では事前に準備されたサンプルデータが用いられていたため,気温,湿度などといった数値データ以外の情報は野帳に記載されていた内容からのみ把握することができ,船上と上空の風向きの違いなど,その情報から考察が進むこともありました.昨年度の実習などの際には打ち上げに関する仕事で手一杯で,野帳の意味などを考えることができていなかったので,次回の実習などでは野帳についても後の人が現地の状況を捉えやすいように丁寧に記載していこうとおもいました.
お昼を終えた後に行われたAFESに関してのワークショップについても学べることがたくさんありました.この回ではAFESのデータが準備されており,これを用いた解析結果の出力などを行いました.午前に行われたものと異なる点として,こちらではPythonコードも自力で書いてみるという側面があり,私自身がどの程度画像を描けるか,という自身の力試しになりました.初めは何をすればいいかわからず面食らったものの,扱うものの実態がデータであることをしっかりと認識できるようになってからはなんとか指針を立てられるようになり,最終的には結果の出力を行うことができました.うれしかったです.私が今後扱っていきたい内容が大気海洋相互作用について少し触れる部分があるため,もっとAFESについて勉強し,上手に扱っていけるようになる必要があると感じました.
ゾンデ打ち上げ講習
解析とAFESについての講習会の後,ゾンデの打ち上げの講習を行いました.講習会では乗船実習などの場合と同じようにオペレーター,打ち上げ隊の二組に分かれ,それぞれが連携して講習を行いました.今回の打ち上げは私が普段行っている船上での打ち上げとは異なり陸上であったことから,足元の安定感やコンクリート上での作業など,普段と違うと感じる場面は少なくありませんでした.特に足元が安定しており,急な揺れに備えなくてもいいというのは個人的にありがたく,どのように風船を膨らませるのか,ゾンデと風船の結合部分はどのように結ぶのか,といったことの理解に集中することができました.また,オペレーター,打ち上げ共に,一連の流れについて再確認することができ,非常に良い経験をすることができたと感じております.先述の野帳に関しての理解を経てからであったため,野帳の記録についても意識を高く持って練習することができました.
潮岬は海辺ということもあり,海が綺麗だったことが印象的でした.紀伊半島の自然に触れるたび,その可能性に驚かされるばかりです.
以上が潮岬で経験したことの概要になります.ここまで読んで頂きありがとうございました.
こんにちは、B4の濱口翼です。
昨日は、東海地方で線状降水帯が発生する可能性があるとの情報があり、大学からなるべく早く帰宅するようお達しがありました。三重県では夕方から深夜にかけて大雨でしたが、電車が止まるほどではありませんでした。一方、愛知県では知多半島や豊田方面で電車が止まるなど、かなり激しい雨だったようです。近年、豪雨のような気象災害が増えていることを、昨日の大雨で改めて実感しました。
さて、今回は6月25日から7月2日まで、岩手県大槌町にある東京大学大槌沿岸センターで行った集中観測についてです。
この集中観測は、私が参加した大槌での観測に加え、三重大学の勢水丸とJAMSTECの新青丸の2隻と同時観測を行いました。勢水丸には同じ研究室のメンバーが乗船していたので、後日、そちらの観測内容が共有されると思います。私が今回報告する大槌での観測と勢水丸の観測内容を比較してみるのも面白いと思います。
観測メンバーは基本的に修士課程の学生で構成され、大学の先生や研究所の方を合わせて3名、そして学部生は私を含め2名でした。
今回の集中観測では、私は学生の解析隊長のような役割を担いました。この観測に興味があり参加を決めたので、せっかくならその結果を詳しく見てみたいという思いから解析隊長に立候補したのですが、初めての経験で非常に不安でした。また、三重県から大槌センターまでは非常に遠く、出発が早かったため、前日はほとんど眠れない状態でした。個人的には「かなり心配なスタートだな」と感じていましたが、一緒に観測を行ったメンバーの皆さんが様々に助けてくださり、不安な気持ちも徐々に解消されていきました。観測メンバーの皆さん、本当にありがとうございました。
観測を行った東京大学大槌沿岸センターおおつち海の勉強室
大槌で行った集中観測では、ゾンデという気温や湿度、GPSを使った風速・風向などの気象データを取得できる機器を風船に取り付け、上空の様々な気象データを取得しました。集中観測の名の通り、当初は3時間ごと、途中からは1時間ごとにゾンデを取り付けた風船を放球しました。1時間ごとの観測は最長62時間連続で行われたため、3つの班に分かれて放球を続けました。また、ゾンデから得られたデータからどのような現象が捉えられたのか、さらに天気図なども利用してなぜそのようなデータが得られたのかを、観測の途中で解析も行いました。
ここからは、観測期間中に特に印象に残った出来事を紹介したいと思います。
まず、2日目に副虹が出たことです。夕方、少し時間があったので1日目に得られたデータの解析を行っていたところ、突然「虹すごい」という短いメールが届きました。何だろうと思い外に出てみると、これまでに見たことのないような美しい副虹が出ていました。このメールを見た観測メンバーは全員外に出ており、皆で写真や動画を撮っていました。私も思わずシャッターを切ってしまうほどの副虹を見られたのは、観測に来て良かったと思える出来事でした。
次に、観測期間中に霧がだんだんと海からやってきて湾内が霧に包まれる一部始終を見られたことです。霧が見られたのは4日目の朝で、私が1時間観測の担当をしているときでした。観測場所の近くに瓢箪島という観光スポットがあるのですが、そこがだんだんと霧に包まれていき、非常に幻想的でした。また、この時だけ地上付近のゾンデのデータが普段と異なるものであったため、その点も含めて非常に興味深かったです。(余談ですが、私と同じ班であった気象研究所の研究者の方は、2日目の午後から5日目の朝までと短い期間しか参加できなかったのですが、珍しい現象がいる間に起きたため、他の観測メンバーであった大学の先生からも「持ってるな」という感想が出ていました。)
また、大槌センターでウミガメの研究を行っているチームが同じ時期に滞在していたので、ウミガメについても見学させていただきました。今回見学させていただいたウミガメは、三陸沖にある定置網に引っかかったウミガメを漁師の方から譲り受け、計測といった生体調査や、バイオロギングといった生態調査を行っているそうです。基本的に2〜3ヶ月間大槌に滞在するとのことでした。ウミガメは生きている年齢がわからないなど、謎なことが多く、様々な研究を行う価値があるというお話を、ウミガメの研究を行っている学生の方から伺いました。普段私が研究している分野とは全く違う世界で、とても面白かったです。
今回の観測を通して感じたことは、研究を行うにしても、実際に感じたり、得られたデータを見て不思議に思ったことをすぐに議論することがいかに重要かということです。先述の霧であったり、夜に見た夜空であったりと、刻々と変化する空や気象の様子は、新たな発見を生んだり、普段行っている研究がどのようなものなのかを知れたりと、今後の研究のモチベーションにつながったと思います。また、霧が発生した時とそうでない時の違いや、海のほうでは霧が出ていたのに私たちが観測していた場所にはやってこなかったりと、疑問が生まれることも多くありました。現在行っている研究がうまくいっていない(これは自分の責任ですが)ということもあり、また解析隊長をしていたこともあり、今回の観測の結果で何か新しい研究ができないかと考えています。
最後に、この記事をご覧になっている方にお伝えしたいことがあります。それは、観測といった貴重な機会があったら、積極的に参加してほしいということです。私は運の良いことに学部生でこの集中観測に参加することができ、非常に貴重な経験をさせていただいたと思っています。皆さんも、このような貴重な経験をすることができるならば、ぜひ積極的に参加してほしいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
PS:勢水丸で集中観測を行っていた立花先生が、船の中でテレビのVTR出演をしたり、寄港後にリモートでテレビに生出演したりと、どれだけ体力があるのかと驚きを通り越して引きました(笑)。
お久しぶりです、B4になりました大関です。
6月とは思えない猛暑にみまわれていて体がびっくりしています。
今回は3月6日から8日に新潟大学で行われた、ハビタブル日本領域全体会合についてご報告します。聴講参加をさせていただきました。
1日目は岡代表によるハビタブル日本の全体的な紹介と、各研究領域班の領域代表の方々による、班の紹介がありました。研究室に所属してから、ハビタブル日本については色々なところで聞いていましたが、その特徴や目的、また立花先生が所属されている「A01-2」班以外の活動については詳しくは知らなかったので、とてもよい機会になりました。
2日目は今夏から始まる観測航海についての紹介や、若手研究者が集まるECHOESについての紹介や議論がありました。三重大の学生としてハビタブル日本の活動に参加出来る機会として、観測航海があるので積極的に参加したいです。
今回の会合での自分の気づきはずばり「大気だけじゃなく海洋も」です。1日目、2日目に行われたポスター発表でも、海洋の影響に焦点を当てた研究が多かったです。特に黒潮の気象への影響を海面水温の改変等を用いて議論した研究が印象的で、日本の気象・気候における黒潮の寄与が重要であることを改めて認識しました。自分の研究においても海洋からの視点を忘れないようにしたいです。
最後に、新潟といえば米どころ。1日目夜の懇親会で頂いた塩むすびと日本酒は絶品でした!!(最後までご覧いただきありがとうございました。)
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