4年鈴木です
2012_11_20-22
週間及び一か月予報における顕著現象の予測可能性
という京都大学防災研究所で行われた研究集会についての報告をします.
自分は去年この研究集会に参加することが出来なかったので,防災研へは初訪問でした.
研究会のタイトル通り,顕著現象の予測に関する発表が多く,
3日間(実質二日間)で約50人もの方の発表を聞きとても充実していたと思います.
自分の研究では顕著現象をテレコネクションと関連付けて予測したいと考えているので,
当初の研究目的は違うにしろとても参考になりました.
京大防災研の竹見さんは
局地豪雨が生じる時の大気場を安定度指数を用いて評価し,積乱雲の発生・発達の予測可能性の研究をなさっていました.
総観規模擾乱(梅雨前線・台風・停滞前線・その他)の影響を取り除いた議論をしていました.
また,降水と強降水に分類しての解析を行っていました.
目的の現象を捉えるためにもきちんと現象の取捨選択が必要だと感じました.
また,JAMSTECの吉田さんの爆弾低気圧経路の予測精度研究では,
低気圧の位置のズレや伝播速度のズレという観点で議論をしていました.
また,爆弾低気圧を日本海側と太平洋側に分け,それらの低気圧の経路がモデルの中でどのように評価されるのか,
という発表でした.
結果は日本海型はより北側に予測し,太平洋型はより中心気圧を高く予測する傾向にあったそうです.
発生した位置によってモデルの性質まで変わるのはどのような効果によるものなのだろうと疑問に思いました.
更に,ロシアのブロッキング高気圧についての発表(京大 藤井さん)では,イタリア上空のトラフ強化を起源とするものと,
ギリシャ上空の低気圧による高気圧偏差(しっぽ)形成によるものがあるという結果を発表されていて,
二つの要因で一つの結果を生むという発表はあまり聞いたことがないように感じました.
今回の研究会は質問がやや専門的で敷居が高いように感じましたが発表自体はどれも面白く感じました.
以上で終わります.
[3回]
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