こんにちは,古田です.
平成24年度京都大学防災研究所一般研究集会
「週間および1か月予報における顕著現象の予測可能性」
に参加してきました.
研究集会は3日間にわたり,顕著現象・データ同化・数値予報など研究内容,手法は様々でした.50ほどの講演を聴講した中で,最も印象に残ったものを紹介します.
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歴史的海面水温データセットのための客観解析手法の提案 平原翔二(気象庁)
歴史の古い海面水温データを今の海面水温データを比べると,古いデータでは観測点の数が少なく特に太平洋域のデータが少ないという点がありました.
海面水温をきちんと評価するために,OBE-SST2式マルチスケール解析を用いて,SSTを日々変動+年々変動+トレンドから算出していました.
データ解析中,非常に観測点が多くデータの精度が良い期間があり,この期間がオーストラリアのゴールドラッシュ,独立戦争などと対応していることも分かったそうです.
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Two Types of Arctic Oscillation and Their Associated Dynamic Features Ning Shi(東大)
AOはStype,Ttypeの二つに分類することができるそうで,この二つをさらに正負のときで分類し,計4つのパターンに分けていました.パターンの転換期にフォーカスを当てそのときの大気場を研究されていました.AOも分類して解析するとさらに面白いもの見つかりそうです.
ここでは成層圏突然昇温に関する研究発表が多くなされていました.SSWの下方伝播が北太平洋ブロッキングの形成に与える影響や熱帯成層圏昇温が与える影響,SSW前後の中間圏循環の変動など勉強になる講演ばかりでした.
それと同時にSSWの影響をうまく評価するのは難しいなと実感しました.工夫して卒論に取り組まなければ.
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マルチ気候モデルおよび物理パラメータアンサンブルの信頼性評価
観測値がアンサンブル値に対しどこに位置するかに着目し,その値を分類,評価していました.
とてもシンプルでユニークな解析手法であるように見えて面白かったです.
京都は紅葉が見ごろで,夜は肌寒かったです :D
[2回]
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