三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
こんにちは.M1吉田です.
5月頭にあった潮岬ラジオゾンデ講習会について書きます.
早朝からいくつかの班に分かれて,放球と受信と解析の練習をしました.
受信ソフトは毎度おなじみのものでしたが,参加者の質問を聞いていると,普段そういうものだとスルーしていたけれど言われてみれば何でだろう,ということが結構ありました.
詳しい方々の話を聞いて,知識が増えました.
解析は本当に準備が大切ですね.
今回手取り足取り教えていただいたお陰で,小川先生の紹介で三重大の富田くんが提供してくれたスクリプトを,動かせるようにまでなりました.
船で動かないということが無いように,これから方法を自分の中で整理していきたいです.
最後,我々が放球班でしたが,立花先生たちの提案で3コ同時放球をしました.
相当な収束・発散がない限り,それぞれは離れずに飛んでいくという予想の通り,3コは団子になって飛んでいきました.
休憩時間は潮岬の自然を楽しみました.
黒潮大蛇行が不安定になっている時で,黒潮見えるのでは?と海に行きましたが,よくわかりませんでした.
暖かい陽気で,上空にはトンビが上昇気流を捉えて回っておりました.
以上です.
楽しみつつ良い練習ができたと思います.
最後まで読んでいただきありがとうございます.
お久しぶりです.B4の永川です.
先日,「国家はなぜ衰退するのか」という本の上巻を読みました.アリゾナ州ノガレス,ソノラ州ノガレスという2つの地域の経済格差の原因を通し,政治と経済との関係について非常に明快かつ理論的に示してあり,面白かったです.この本を読む直前に全体主義思想について描かれた「1984年」,「動物農場」の2冊を読んでいたこともあり,ソ連について,細かい視点,広い視点の双方から理解を深められる良いタイミングでこの本を読めたなと思いました.良い本を買ってくれた親に感謝です.余談で228文字も使ってしまいすみません.本題に入ります.
昨日,以前に行った三陸沖集中観測(もしよければこちらを参照してください)の解析結果の報告に関する会合が行われました.今回の会合はそれぞれの結果を踏まえた論文作成への議論が要点の一つとなっており,研究者の方々が観測結果からどのようなことを見て,論文作成への1ステップを踏むのかということを見学させて頂く非常に良い機会になりました.今回はその報告です.今回の会合は東北大学のホールで行われました.仙台は三重と比べるととても涼しく感じられ,快適だなと感じました.この会で行われた発表の中で,面白かった発表をいくつか紹介させて頂きます.
まずは今回のラジオゾンデ観測で得られたデータから,慣性重力波の観測が行われたのではないかという報告について.以前に行われた報告会では,その軌道や上昇速度から,ラジオゾンデが寒冷渦の縁の部分を通ったのではないか,という議論でしたが,今回はそこから研究が進んだようで,前回寒冷渦の下降流としていたものが慣性重力波である可能性があるのではないか,という議論が行われていました.この発表では他大の同期である4年生が発表しており,同期がここまで研究を進めているのを目の当たりにして,私も負けてられないなというように感じました.
そして今回の観測では特に霧が目に留まる特徴だったようで,このことに関する議論が多かったように感じました.各発表で観点もそれぞれであり,霧が発生していない場合の寒冷渦との関係や暖水渦の上での観測結果によって得られた霧の生成,維持,消滅過程に関する調査,海霧の風と海での関係に係る調査などがありました.私個人が霧という現象にあまり詳しくないことからどれも非常に興味深く感じられました.それぞれの発表ではSST勾配と気圧場との関係や,地形に伴う風の変化と空気の温度,海上気温と海表面水温や風向,相対風速と霧そのものへの関係など,海表面での様々な要素が霧の発生や消滅,無発生に関わっているということを知ることができました.
また,今回の会合の終盤に行われた発表で,断水渦の縮小と熱放出に関わる研究報告がありました.昨年度の鉛直プロファイルと比較して低温化した暖水渦について,低温下に際して失われたエネルギーがどこに,どのように使われたのか,という内容でした.発表の中では渦の近辺では2.5度程度,500km圏内でも0.8度程度上昇する試算結果が出たことが述べられており,暖水渦の持つエネルギーが私の思っていた以上に大きかったことを感じられました.また,このエネルギー放出に伴って水温勾配の構造が変化する可能性もあることを質問した際に教えて頂き,水温勾配の変化で色々見てみたい私としては非常に面白い内容だったと感じられました.
今回の会合への参加を通して,研究者の方々がどのようにして観測結果などのデータを解析し,解析結果の考察を行い,論文作成に着手するのか,その一端を感じ取ることができました.また,この中で,観測結果の解析もさることながら結果の考察については難しそうであるという印象を,実際の進捗発表や議論の様子を見て,改めて見て学ぶことができました.私の研究についても同じことが言えることは間違いないと思うので,当たり前にいかないことが当たりまえということを念頭に置き,今後も頑張っていこうと思います.
観測が終わってまだ一か月すら経過していない状況下においてもこれだけの研究が行われ,現在でも様々な結果が出ているということを知ることができました.それだけ大きなデータを得られた観測に,学部生の折から参加できたというのは改めてとても貴重な経験ができたんだなということを,今回の参加で再度感じている次第です.
このあたりで今回は終わろうと思います.ここまで読んで頂き誠にありがとうございました.
お久しぶりです.B4の永川です.
先日,「百年の孤独」という本を読みました.初めは文庫本600ページという物量に面食らいましたが,展開に次ぐ展開,また人によって引き起こされる栄枯盛衰を辿った果ての結末を見て,よくこの内容を600ページにまとめられたな,と読み終わってから感じました.後日文学に詳しい友人とこの本について話を伺ったところ,本の内容のみならず,この本が書かれた背景や文学史といった観点からも様々なことを読み取ることができることを教えてもらえました.この本を教えてくれた友人に感謝です.
先日,ハビタブル日本豪雨豪雪班が行った,三陸沖での観測航海に参加してきました.この文章を書いている2025年7月22日において,様々なメディアでの報道が行われており,今回の観測の様々な意味での大きさを痛感している次第です.乗船を伴う観測という観点においても,今回の私の乗船期間は7日程度と過去最長,かつ東北沖という慣れない環境下での観測は決して楽しいだけのものではありませんでしたが,その一方で観測を経ての成長を強く感じることができ,非常に貴重な経験ができたように感じます.今回はその内容についての報告を行わせて頂こうと思います.
初日~観測開始まで
松阪を出港してから数日は観測地点までの移動日でした.その際に黒潮の上を通り,流れに乗って移動することを事前に知らされており,過去4回アタックしながらも一度も黒潮にお目見えすることのなかった私は「今回こそ!!やっと黒潮に遭える!!」と胸中わくわくマンモスでした.そんな様子で船上生活を行っていたところ,夕方ごろにはそれなりに船が揺れ始め,気が付いたころには完全に三半規管がやられてしまいました.いわゆる船酔いなのですが,事前にかなり強い酔い止めを服用していたにも関わらず,動くこともままならない程の強烈なものに襲われてしまいました.後から知ったのですが,その頃に船が黒潮上を通過していたらしく,黒潮特有の透明な海も,黒いといわれる水色も見ることは叶わず,エチケット袋の内側に見た,漆黒の記憶しか残りませんでした.悔しいです.
そんな船酔いだったのですが,観測メンバーとして選んでいただいた以上,「船酔いで観測できませんでした」ということでは大学で待機している同期などに顔向けできないと思っていたため気合で直し,なんとか観測開始までには調子を戻すことができました.今思うとよく回復することができたな…と我ながら感じます.
ワッチ初回
私の所属する班は夜ワッチということで,23時から11時まで一時間おきに観測を行いました.初めての徹夜での観測ということで,心構えだけは持っておいたものの,やはり深夜の2時あたりから抗い難い眠気に襲われました.さりとて放球をおざなりにするわけにもいかないので,気合で踏ん張って放球を行いました.この日は海が荒れ模様であり,風もなかなかに強かったため,放球そのものが大変であったことも印象深いです.朝5時頃の放球で初の放球失敗があり,夢現と絶望に苛まれながら再放球を行いました.この回から放球に一層の注意を払うようになり,どのようにすればミスなく放球が行えるか,また放球の際にはリカバリの必要が生まれる可能性がある,といったことを意識して行うようになった気がします.初回のワッチが終わるころには疲弊も最中といったところで,正直その後の記憶はあまり残ってないです.ベッドにかじりつくように寝たことはよく覚えています.
ワッチ二回目
初回での海況や体の負担を通し,戦々恐々として参加した二回目のワッチ.今回も一人ではバルーンを抑えることもままならない環境であるかと思っていたのですが,この日の海況は驚くほど凪であり,風速もほとんどないといった状況でした.そのため放球もかなり穏やかに行うことができ,平和だった記憶があります.天気もよく,朝焼けがとてもきれいでした.また,同乗していた博士の方や先生がしていたデータ解析に関する話を横で聞いていて,同じ現象を見ているのに見えていることがまるで違うということに改めて気が付かされました.こんな風に一つの現象や情報から様々なことが読み取れるようになり,考察が行えるようになるということが勉強するということなんだろうなと思いました.
ワッチ三回目
この日もすごく穏やかな海況でした.ワッチ初回から薄々感じていたことではありますが,これだけの回数の放球をこれだけの密度で行っていると,流石に各工程から無駄がなくなり,丁寧な作業をかなり早い時間で行えるようになっていました.ワッチ初回の際に教えてもらった時には全く上達の兆しが見えなかったもやい結びもワッチ二回目の後半あたりから少しずつできるようになり,ワッチ三回目の頃にはてきぱきとこなせるようになっていました.バルーンを抑える役回りに際しても,船での相対風速を聞けばおおよそどの程度の力で抑えればいいかといったことがわかるようになり,後半には自身の肌感覚と船上で計測された相対風速が一致しているかという遊びを行うようになっていました.たまに当たることがあり,嬉しかったです.ワッチ終了後に追加で行った観測の際にはマイクなどの役回りもある程度問題なくこなせるようになっており,デッキの活動は自身をもって行えるようになったと感じました.
私が今回の研究航海の観測で感じたことなどの概要は以上です.寄港直前,本当に最後の観測があった回の朝焼けが本当に綺麗で,観測を頑張った我々を労ってくれたような気がしました.今回は過去何度か参加した実習とは異なる,大きなプロジェクトに自身が選ばれ,与しているという自覚があったため,初めに船酔いを起こしたときは本当に自分が情けなく,正直泣きそうになる部分や弱音を吐きたくなる部分があったことはありましたが,今こうして徹頭徹尾やり切ったと胸を張って言えるようで本当に良かったと思っています.
最後に件の朝焼けの画像を添付させて頂こうと思います.
ここまで読んで頂き,誠にありがとうございました.

お久しぶりです.B4の永川です.
先日,「族長の秋」という小説を読みました.ある国の独裁者の孤独な在り様が独特な文体で示されており,非常に良い体験をすることができました.とても面白かったです.
そんなことはさておき,5月末頃に東京幕張メッセで行われた日本地球惑星科学連合,通称JPGUに行ってきました.先輩から「地学のコミケ」と称されるほどに様々な発表などが伺えることを聞いており,大きなわくわくを胸に参加してきました.その報告を行わせて頂きます.
今回のJPGU参加においては5月26日から5月29日あたりまでの発表が気象に関わる分野を多く取り扱うものであり,私自身もその部分に集中して参加を行えるようなスケジュールで伺いました.25日などにも参加はしていたのですが,口頭発表については英語で馴染みのない分野の発表が行われており,なかなかな難しさを感じました.ただしポスター発表については日本語で解説を行って頂いたことなどもあり,自身の知らない分野についても理解を深めることができました.火星などでの居住を想定した閉鎖空間での生活に関しての実験や,教育的な側面を持つボードゲームの製作の過程に関しての観察実験など,普段は見ることがないものの,内容としては非常に面白いものが多く,とても面白かったです.
2日目以降については非常に内容が多く,実のある時間を過ごすことができました.まず大きな学びとして挙げられることはやはり黒潮大蛇行セッションや中緯度大気海洋相互作用セッションの口頭発表の聴講です.僕自身が黒潮大蛇行に係る大気海洋相互作用に興味があったこともあり,このセッションでの発表は非常に楽しみにしており,また実際に聴講を通して黒潮や大気海洋相互作用について自身の知見をより深くすることができました.特に次世代衛星高度計ミッション,通称SWOTに関しての発表については,SWOTそのものや,発表内で話されていた,大きく蛇行した黒潮から発生した断水塊の西進に伴う新たな大蛇行の発生の仕組みなど,僕にとっては初めて見聞きするものでありながらも,内容もある程度理解できるものであり,非常に面白かったことが印象に残っています.黒潮大蛇行に伴う東海,関東沖の沿岸昇温に関する発表についても,SSTの上昇に伴って発生する降水の増加や気温の上昇についての解説が非常にわかりやすく,勉強になりました.英語の発表についても自身に馴染みのある分野であったことが幸いし,今までは全体を通してさっぱりだったものが,今では適宜単語が聞き取れるようになっており,内容も最低限は捉えられていたので成長を感じることができました.気のせいかもしれませんが,英語での発表(というよりも外国の方の発表?)では,北半球での海表面塩分の季節変動など,日本語でのものと比べスケールの大きな研究が大きいように感じられました.このセッションにおいては自身の興味のある分野であるだけに,私が以前読んだことのある論文の著者である方なども多くいらっしゃっており,その面でも感慨深いところがありました.
口頭発表のみならず,ポスター発表や企業ブースなどでも様々な話を伺うことができました.ポスターについては口頭発表以上に自身の興味に任せて話を伺うことができたことに加え,自身の疑問をたくさん発表者の方に問うことができました.これらを通して僕の研究活動に向けておすすめの論文を紹介して頂くなど,様々な形でアドバイスなども頂くことができ,非常に大きな学びとなりました.企業ブースについても想像以上に多くの企業が参加していたことに加え,話を伺った際,どの企業の方もとても丁寧に発表内容の解説をして頂いたことがとても強く印象に残っており,私の1の質問に対して10や100の回答をして頂き,とてもうれしかったです.
初参加,しかも慣れない関東での開催ということで初めは緊張の連続でしたが,実際に参加した後からは駆け抜けるような5日間だったように感じます.ここで書いたことの他にも様々な方とお話をさせて頂き,非常に有益な情報を教えて頂いたことや,期間中に行われたセミナーに参加したりなど,本当にたくさんの,かつ貴重な経験をすることができました.
来年も可能性があればぜひ参加したいと思います.
ここまで読んで頂きありがとうございました.
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