M2吉岡です.
東京のオリンピックセンターで開かれた気象学会に行ってまいりました.
5月17日は台風のセッション!
その中で,台風セッション最後に名大の坪木先生が発表されていた
「B309 気象庁ベストトラック強度データの経験的補正と強い台風の経年変化」
になかなか衝撃を受けました.
ベストトラックは台風の中心位置や強度を示したデータで,多くの台風研究者が使用しています.
もちろん私もそのデータを使って解析を行っています.
この発表では,
近年,ベストトラックデータをみると強い台風が減ってきている!?数も減っているし強度も弱まってる.しかしJTWC(アメリカのデータ?)はそんなことはない!なんかおかしい・・・
ということで調べたところ,どうやら1980年代以降,JMAベストトラックデータでは強い台風の強度が過小評価されているようだ.とおっしゃっていました.
なななんと.この台風たいしたことないなーとか思っていたやつも,実はものすごい台風だったかもしれないってことですね.
私の研究事例の台風はどうなんだろう?と気になりましたが,この過小評価は特に強い台風のときだけで,弱いor普通の台風は問題ないとか.私のはそんなに強くないので大丈夫そうです.やっぱり,強い台風は色々と測るのが大変なんですね.
私は台風中心位置を決定する時,ベストトラックだけでなくレーダーを細かくみながら決めたのですが.やっぱり何かのデータを用いるときは,ただそのデータをまるっきり信用するのではなく,他とも見比べながら検討したほうがいいんだなぁと感じました.
といっても別に批判しているわけではなくて.研究をしていく上でこのようなデータは非常に助かるし,そのおかげで多くの方の研究は成り立っています.もっと精度が増して,強い台風もしっかり測れるようになって,今後更に台風研究が進んでいくと嬉しいです(^^)
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