三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
こんにちは.M1吉田です.
今年の暑さは凄まじいですね.
北海道斜里では,毎年発生する「けあらし(霧)」が今夏は一度も発生していないそうです.
8月に東北へ行き,三陸沖集中観測解析会合@東北大と,大槌シンポジウムに参加してきました.
東北は涼しい!とまではいきませんが,いつもの”とけそうな”暑さは感じませんでした.
海岸にいるとコロコロ変わる風向きで体感温度が全然違くて,不思議でした.
口頭発表があったので,東北での生活も含めてレポートを書きます.
最初は東北大に行きました.
一生懸命観測したデータを活かすためにも,自分も解析を進めたいと思いました.
その後大槌です.私は海洋パートと大気パートの両方に参加しました.講演は大気パートの方です.
招待講演の先生方が豪華で,非常に緊張しました.
先生方の凄さもそうですが,発表時間の長さもあり,思っていたより多くのご意見をいただくことができました.
ご意見や質問を受け,やることがずいぶん溜まってきたので,しっかりと手を動かしていきたいと改めて感じました.
夜は大槌の美味しい料理や星を楽しみました.
先輩におすすめされた通り,素敵な場所でした.
気温や宿舎,景色など過ごしやすい良い環境で,程よい人数で深い議論ができます.
また来年も来たいです.
こんにちは.M1吉田です.
今年も一段と,異常に暑いですね.
2025年夏に実施された三陸沖観測キャンペーンに参加しました.
ターゲットは,近年異常な高温を示している三陸沖の海です.
海面水温の実態と,そこに形成される水温前線が大気に与える影響を調査しました.
陸は暑いですが海は結構涼しかったです.半袖だとしんどいくらい.
でも普段はもしかしてもっと寒いのかも?
私は6/25-7/8の2週間,勢水丸に乗船しました.
学生が多いので,わいわいしながら,ラジオゾンデによる大気観測と,XCTD・バケツ採水による海洋観測を行いました.
その地点数なんと約100!
集中観測中は62時間にわたる1時間毎の連続放球に,昼夜の2ワッチを組んで臨みました.
船の揺れは,行きの道中がピークでした.
黒潮や熱帯低気圧の影響を受け,千葉沖でピークを迎えます.
しかし航海が進むにつれて,だんだんと穏やかになっていきました.
集中観測前半はまだうねりがあり,北風も強く,工夫しながら観測をしました.
後半は波がまったくなくなり,海面がまるで鏡のような凪でした.
観測はしやすいですが,今度は漁船が増えて航路の変更を余儀なくされました.
解析も結構大事だということがわかりました.
今まで実習でも何となく解析して参加者に結果を紹介していましたが.
まず,自分たちのモチベーションになります.
観測結果から水温前線を予測して,次は上がりそうだとかいや全然上がらなかったとか,ああだこうだ言いながらやるのが面白かったです.
あと解析しながら新しいことを思いつくと,余った物資で追加観測ができ,それも一つの成果になります.
次の機会があれば頑張りたいです.
この観測で私が何をしていたかというと,現象を体感するということに全力を注いでいました.
揺れは座ると感じやすいです.黒潮の揺れは航路が同じなのに行きと帰りで明らかに違くて,帰りの揺れなさが不思議でした.
夜の観測は暗くて周りの様子が分かりにくいですが,星を頼りに野帳を埋めました.
服装を統一して気温を感じると,水温前線手前で突然生暖かい風が‼......船の排気でした笑.食事の後も体温が上がってしまい,感じるのは気温が一番難しかったかもしれません.でも陸の近くでは気温が急上昇し,明らかに体感も変わりました.
水温は寄港地の温泉で間接的に体感しました.観測した20℃は水風呂ですね.
私からの報告は短めに,ここまでです.
小さな船で参加者の方々と協力し,親睦を深めることもできました.
観測の合間にみんなで見た日の出とイルカの群れが忘れられません.
この体験を成果につなげるために,解析にも力を入れたいです.
読んでいただきありがとうございます.
こんにちは.M1吉田です.
5月頭にあった潮岬ラジオゾンデ講習会について書きます.
早朝からいくつかの班に分かれて,放球と受信と解析の練習をしました.
受信ソフトは毎度おなじみのものでしたが,参加者の質問を聞いていると,普段そういうものだとスルーしていたけれど言われてみれば何でだろう,ということが結構ありました.
詳しい方々の話を聞いて,知識が増えました.
解析は本当に準備が大切ですね.
今回手取り足取り教えていただいたお陰で,小川先生の紹介で三重大の富田くんが提供してくれたスクリプトを,動かせるようにまでなりました.
船で動かないということが無いように,これから方法を自分の中で整理していきたいです.
最後,我々が放球班でしたが,立花先生たちの提案で3コ同時放球をしました.
相当な収束・発散がない限り,それぞれは離れずに飛んでいくという予想の通り,3コは団子になって飛んでいきました.
休憩時間は潮岬の自然を楽しみました.
黒潮大蛇行が不安定になっている時で,黒潮見えるのでは?と海に行きましたが,よくわかりませんでした.
暖かい陽気で,上空にはトンビが上昇気流を捉えて回っておりました.
以上です.
楽しみつつ良い練習ができたと思います.
最後まで読んでいただきありがとうございます.
お久しぶりです.B4の永川です.
先日,「国家はなぜ衰退するのか」という本の上巻を読みました.アリゾナ州ノガレス,ソノラ州ノガレスという2つの地域の経済格差の原因を通し,政治と経済との関係について非常に明快かつ理論的に示してあり,面白かったです.この本を読む直前に全体主義思想について描かれた「1984年」,「動物農場」の2冊を読んでいたこともあり,ソ連について,細かい視点,広い視点の双方から理解を深められる良いタイミングでこの本を読めたなと思いました.良い本を買ってくれた親に感謝です.余談で228文字も使ってしまいすみません.本題に入ります.
昨日,以前に行った三陸沖集中観測(もしよければこちらを参照してください)の解析結果の報告に関する会合が行われました.今回の会合はそれぞれの結果を踏まえた論文作成への議論が要点の一つとなっており,研究者の方々が観測結果からどのようなことを見て,論文作成への1ステップを踏むのかということを見学させて頂く非常に良い機会になりました.今回はその報告です.今回の会合は東北大学のホールで行われました.仙台は三重と比べるととても涼しく感じられ,快適だなと感じました.この会で行われた発表の中で,面白かった発表をいくつか紹介させて頂きます.
まずは今回のラジオゾンデ観測で得られたデータから,慣性重力波の観測が行われたのではないかという報告について.以前に行われた報告会では,その軌道や上昇速度から,ラジオゾンデが寒冷渦の縁の部分を通ったのではないか,という議論でしたが,今回はそこから研究が進んだようで,前回寒冷渦の下降流としていたものが慣性重力波である可能性があるのではないか,という議論が行われていました.この発表では他大の同期である4年生が発表しており,同期がここまで研究を進めているのを目の当たりにして,私も負けてられないなというように感じました.
そして今回の観測では特に霧が目に留まる特徴だったようで,このことに関する議論が多かったように感じました.各発表で観点もそれぞれであり,霧が発生していない場合の寒冷渦との関係や暖水渦の上での観測結果によって得られた霧の生成,維持,消滅過程に関する調査,海霧の風と海での関係に係る調査などがありました.私個人が霧という現象にあまり詳しくないことからどれも非常に興味深く感じられました.それぞれの発表ではSST勾配と気圧場との関係や,地形に伴う風の変化と空気の温度,海上気温と海表面水温や風向,相対風速と霧そのものへの関係など,海表面での様々な要素が霧の発生や消滅,無発生に関わっているということを知ることができました.
また,今回の会合の終盤に行われた発表で,断水渦の縮小と熱放出に関わる研究報告がありました.昨年度の鉛直プロファイルと比較して低温化した暖水渦について,低温下に際して失われたエネルギーがどこに,どのように使われたのか,という内容でした.発表の中では渦の近辺では2.5度程度,500km圏内でも0.8度程度上昇する試算結果が出たことが述べられており,暖水渦の持つエネルギーが私の思っていた以上に大きかったことを感じられました.また,このエネルギー放出に伴って水温勾配の構造が変化する可能性もあることを質問した際に教えて頂き,水温勾配の変化で色々見てみたい私としては非常に面白い内容だったと感じられました.
今回の会合への参加を通して,研究者の方々がどのようにして観測結果などのデータを解析し,解析結果の考察を行い,論文作成に着手するのか,その一端を感じ取ることができました.また,この中で,観測結果の解析もさることながら結果の考察については難しそうであるという印象を,実際の進捗発表や議論の様子を見て,改めて見て学ぶことができました.私の研究についても同じことが言えることは間違いないと思うので,当たり前にいかないことが当たりまえということを念頭に置き,今後も頑張っていこうと思います.
観測が終わってまだ一か月すら経過していない状況下においてもこれだけの研究が行われ,現在でも様々な結果が出ているということを知ることができました.それだけ大きなデータを得られた観測に,学部生の折から参加できたというのは改めてとても貴重な経験ができたんだなということを,今回の参加で再度感じている次第です.
このあたりで今回は終わろうと思います.ここまで読んで頂き誠にありがとうございました.
お久しぶりです.B4の永川です.
先日,「百年の孤独」という本を読みました.初めは文庫本600ページという物量に面食らいましたが,展開に次ぐ展開,また人によって引き起こされる栄枯盛衰を辿った果ての結末を見て,よくこの内容を600ページにまとめられたな,と読み終わってから感じました.後日文学に詳しい友人とこの本について話を伺ったところ,本の内容のみならず,この本が書かれた背景や文学史といった観点からも様々なことを読み取ることができることを教えてもらえました.この本を教えてくれた友人に感謝です.
先日,ハビタブル日本豪雨豪雪班が行った,三陸沖での観測航海に参加してきました.この文章を書いている2025年7月22日において,様々なメディアでの報道が行われており,今回の観測の様々な意味での大きさを痛感している次第です.乗船を伴う観測という観点においても,今回の私の乗船期間は7日程度と過去最長,かつ東北沖という慣れない環境下での観測は決して楽しいだけのものではありませんでしたが,その一方で観測を経ての成長を強く感じることができ,非常に貴重な経験ができたように感じます.今回はその内容についての報告を行わせて頂こうと思います.
初日~観測開始まで
松阪を出港してから数日は観測地点までの移動日でした.その際に黒潮の上を通り,流れに乗って移動することを事前に知らされており,過去4回アタックしながらも一度も黒潮にお目見えすることのなかった私は「今回こそ!!やっと黒潮に遭える!!」と胸中わくわくマンモスでした.そんな様子で船上生活を行っていたところ,夕方ごろにはそれなりに船が揺れ始め,気が付いたころには完全に三半規管がやられてしまいました.いわゆる船酔いなのですが,事前にかなり強い酔い止めを服用していたにも関わらず,動くこともままならない程の強烈なものに襲われてしまいました.後から知ったのですが,その頃に船が黒潮上を通過していたらしく,黒潮特有の透明な海も,黒いといわれる水色も見ることは叶わず,エチケット袋の内側に見た,漆黒の記憶しか残りませんでした.悔しいです.
そんな船酔いだったのですが,観測メンバーとして選んでいただいた以上,「船酔いで観測できませんでした」ということでは大学で待機している同期などに顔向けできないと思っていたため気合で直し,なんとか観測開始までには調子を戻すことができました.今思うとよく回復することができたな…と我ながら感じます.
ワッチ初回
私の所属する班は夜ワッチということで,23時から11時まで一時間おきに観測を行いました.初めての徹夜での観測ということで,心構えだけは持っておいたものの,やはり深夜の2時あたりから抗い難い眠気に襲われました.さりとて放球をおざなりにするわけにもいかないので,気合で踏ん張って放球を行いました.この日は海が荒れ模様であり,風もなかなかに強かったため,放球そのものが大変であったことも印象深いです.朝5時頃の放球で初の放球失敗があり,夢現と絶望に苛まれながら再放球を行いました.この回から放球に一層の注意を払うようになり,どのようにすればミスなく放球が行えるか,また放球の際にはリカバリの必要が生まれる可能性がある,といったことを意識して行うようになった気がします.初回のワッチが終わるころには疲弊も最中といったところで,正直その後の記憶はあまり残ってないです.ベッドにかじりつくように寝たことはよく覚えています.
ワッチ二回目
初回での海況や体の負担を通し,戦々恐々として参加した二回目のワッチ.今回も一人ではバルーンを抑えることもままならない環境であるかと思っていたのですが,この日の海況は驚くほど凪であり,風速もほとんどないといった状況でした.そのため放球もかなり穏やかに行うことができ,平和だった記憶があります.天気もよく,朝焼けがとてもきれいでした.また,同乗していた博士の方や先生がしていたデータ解析に関する話を横で聞いていて,同じ現象を見ているのに見えていることがまるで違うということに改めて気が付かされました.こんな風に一つの現象や情報から様々なことが読み取れるようになり,考察が行えるようになるということが勉強するということなんだろうなと思いました.
ワッチ三回目
この日もすごく穏やかな海況でした.ワッチ初回から薄々感じていたことではありますが,これだけの回数の放球をこれだけの密度で行っていると,流石に各工程から無駄がなくなり,丁寧な作業をかなり早い時間で行えるようになっていました.ワッチ初回の際に教えてもらった時には全く上達の兆しが見えなかったもやい結びもワッチ二回目の後半あたりから少しずつできるようになり,ワッチ三回目の頃にはてきぱきとこなせるようになっていました.バルーンを抑える役回りに際しても,船での相対風速を聞けばおおよそどの程度の力で抑えればいいかといったことがわかるようになり,後半には自身の肌感覚と船上で計測された相対風速が一致しているかという遊びを行うようになっていました.たまに当たることがあり,嬉しかったです.ワッチ終了後に追加で行った観測の際にはマイクなどの役回りもある程度問題なくこなせるようになっており,デッキの活動は自身をもって行えるようになったと感じました.
私が今回の研究航海の観測で感じたことなどの概要は以上です.寄港直前,本当に最後の観測があった回の朝焼けが本当に綺麗で,観測を頑張った我々を労ってくれたような気がしました.今回は過去何度か参加した実習とは異なる,大きなプロジェクトに自身が選ばれ,与しているという自覚があったため,初めに船酔いを起こしたときは本当に自分が情けなく,正直泣きそうになる部分や弱音を吐きたくなる部分があったことはありましたが,今こうして徹頭徹尾やり切ったと胸を張って言えるようで本当に良かったと思っています.
最後に件の朝焼けの画像を添付させて頂こうと思います.
ここまで読んで頂き,誠にありがとうございました.
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