M1安藤です. 昨年10/3〜5に北大学術交流会館で行われた気象学会秋季大会に参加しました.
特に印象に残ったものを書きます.
・0日目(10.2)
メソ気象研究会に参加しました.
今回のテーマは,「熱帯観測研究・飛躍の20年 ~TOGA-COAREとその後~」でした.
私は,バルク法で乱流フラックスを計算する際に,90年代に行われた熱帯域の大気海洋相互作用を解明する研究プロジェクト「TOGA-COARE」で作成されたアルゴリズム「COARE3.0」を使用しています.この研究プロジェクトについて関心はありましたが,その中身についてはほとんど知りませんでした.
この研究会では,この研究プロジェクトを率いた方々から直接お話を聞くことができ,当時の雰囲気など垣間見ることができました.私の指導教員の先生の若々しい (現在もそうですが)写真も見ることができました.
・1日目(10.3)
中高緯度大気・相互作用セッションで発表を行いました.
7分という発表時間でどこまで伝わったか分かりませんが,「勢水丸には国内唯一の乱流フラックス観測装置が常設されている」ことは伝わったのかなと思います.
午後は,スペシャル・セッション「インド洋における MJO 研究-CINDY2011」と「次世代スパコンが拓く超高精度メソスケール気象予測」に参加しました.
米山邦夫さん (JAMSTEC/RIGC) 「CINDY2011における高精度サウンディングデータセットの作成」
JAMSTEC研究船「みらい」の船上から上げたラジオゾンデについて,暖められた甲板の影響がないかを調べるため,ボートに乗ってみらいから離れた場所で打ち上げることまでしていました.
・2日目(10.4)
山本正野論文賞・堀内賞記念講演に参加しました.
論文賞を受賞された時長さんのお話は,5月のJpGUでも聞きましたが,全球規模の海上風データが風速の増加傾向を示しているのは,船の大型化に伴って風速計の設置高度が高くなったためであり,それを補正したデータを用いて新たな現象を発見したという興味深いものでした.
長期変動を見るときにはデータだけ見ていると誤った傾向を新発見だと判断してしまうこともあるので,慎重にならなければいけませんが,逆に慎重になりすぎると新発見の事実を確認していても,自然の変動ではないと解釈して新発見を見逃すことも過去にはあったそうです.
その加減が難しいですが,様々な人と議論を重ねると客観的に見ることができるのではないかと思いました.
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