三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
こんにちは.
先日の気象学会春季大会の回想記を記そうと思います.
気象学会の前に開催日前日に行われたメソ気象研究会にも参加したのでご報告.
今回のテーマが「台風」だったので参加したのですが,講演場所がなんと気象庁でした.
以前東京で行われた学会(だったかな?)のときに気象庁にふらっと立ち寄ったのですが,思いのほか気象庁の玄関口の雰囲気が厳かで,ふらっと立ち寄るような場所じゃないとそのときは尻尾を巻いて引き返しただけに,気象庁内部への潜入に期待が高まっていました.
気象庁ってどんなところなのかとわくわくしながら探検してみると...
地下一階に人一人と机ひとつだけの生協があったり,すこし暗い感じの食堂があったりと想像以上に“お役所”感が漂っていました.
そして,講演はどうだったのかといいますと,
去年のフィリピンを襲った,まさに未曾有の台風となった台風30号についての数値シミュレーションの結果についての報告がありました.WRFを用いて台風30号の強度をどれだけ実況に近づけられるのかを①大気モデル,②大気海洋結合モデル,③初期時刻からは大気モデル→ある時刻から大気海洋結合モデルに移行してシミュレーションした,3つの実験結果を示していました.
詳細な結果は,学会期間中のポスター発表で,ということだったので,大まかな実験結果を紹介していました.それによると,やはり,大気海洋結合モデルによる実験で,急激な台風の発達(中心気圧の低下)が示されていました.
台風30号は,中心気圧が2日間で100hPa近く一気に低下し,最大風速が125ノット(65m/s)の破壊的な台風となったわけですが,解像度を上げても大気モデルのみではこれほどの気圧低下が起こらなかったそうです.
やはり,台風と海洋の相互作用がどれだけ正確に見積もれるのかが,台風のインパクトには重要だという印象を持ちました.
さて,本題の気象学会についての報告です.
今回,初めて発表者として学会に参加しました.
大会3日目の発表とあって,自分の発表が終わるまで地に足がついていない状況で,ほかの発表が全然頭に入ってこなかった...
今回の発表では,台風12号が日本の東海上の高気圧にどう影響を与え,影響を与えた高気圧からどういう反響があったのか,というところまで発表したわけですが,発表が終わったあとにコメントをいくつかいただきました.
僕の発表では,日本の東海上の高気圧強化について,渦度解析によって成分別で示すと,地上付近では発散が顕著に起こっているという結果だったのですが,台風の遠隔的な高気圧強化はやはりベータ効果,つまり,南北風の高緯度への移動によって台風の北側が相対的に正の渦度になるのでそれが0に近いのは不思議だ,ということ.
それと,台風の進路は別の台風の影響も聞いてくるので,台風11号との関係性についても今後さらに詳しく見ていく必要がありますね!!
これから研究すすめて論文投稿がんばります!
以上,ナカタでした.
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