三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
年々寒さが苦手になってきているのは歳のせいでしょうか?
冬生まれなのに.B4の中西です.
10月29日~11月1日に仙台国際センターで行われた気象学会秋季大会に参加しました.
聴講のみですが,感想等簡単にまとめておきたいと思います.
前回の投稿でも触れましたが,私の実家は仙台にあります.
今回の学会会場も市営地下鉄で行けて便利でした!
3年前に開業した東西線国際センター駅は初めて利用しましたがとても綺麗でしたね.
さて,私の研究テーマは「サヘルの対流変動が駆動する北半球大気循環パターン」です.
昨年と違い,今年は研究テーマに関連する分野に関心を持って聴くことができました.
その中でも特に印象に残った発表2つを以下に挙げておきます.
〇B355『サヘルにおける近年の非常に深い対流の増加トレンドと熱帯成層圏界面気温の低下との関係』
サヘル周辺ではギニア湾に面した西部の方が降水量が多く,
東部(内陸部)はそれに比べて少ないという特徴があります.
でも実は沿岸域は低い対流が多く,内陸部の方が深い対流は多いそうです.
最近の降水量は沿岸部で減少傾向,内陸部で増加傾向にありますが,
これには対流圏界面付近の安定度と対流の高さとの関係が効いているのではないかという主張でした.
印象に残っているのは講演者の方の
「平面的な降水量だけを見るのでは不十分で,鉛直構造も重要である」
というまとめの言葉でした.
内陸部で見られる深い対流の鉛直構造こそが,
私が見ている「北半球の大気循環パターン」に効いているのかなと思いました.
〇B354『北半球夏季季節内振動明瞭時における大気大循環場の特徴』
インド洋~西部大西洋の対流活動活発域が北上する現象で,略してBSISOと言われます.
この現象が明瞭な時の大気大循環場の特徴を統計的にみた研究でした.
私が対象にしているサヘルとお隣の領域ですし,
対流と大気循環の関係に着目している点も非常に一致しています.
発表では北半球中高緯度で波列がみられたと報告されていましたが,
このことも私の研究でみているものと非常に似ていました.
自分よりもはるかに優秀な研究者の方が,自分と同じような研究を既にされているということを知って,
嬉しい?驚き?ショック?なんとも複雑な気持ちです(笑)
でも参考になったことがたくさんありましたし,今後の研究の参考にしていきたいと思います!
余談ですが…
帰りは太平洋フェリーで名古屋港までほぼ丸1日かけて帰りました.
広い!速い!快適!楽しい!で降りるときには「もっと乗っていたい…」とさえ思ったほどです(笑)
もっと早く帰省に使っておけばよかった~と思います.オススメです!