こんにちは。B4の安藤です。 2月28~29日に新潟大で行われた2つの研究集会に参加しました。
1日目 (2.28)
新幹線で東京経由で新潟まで行きました。上越新幹線の列車は2階建てで、2階の座席に座りましたが、遠くの山などがよく見え、景色が良かったです。
新潟市内は思ったより、歩道の雪は少なく、歩くのに苦労しませんでした。新潟市も豪雪地帯だと勝手に想像していましたが、新潟市は県内の中では小雪地帯だそうです。原因は、はっきりしたことはまだ分かっていませんが、一つの説として、佐渡島の高い山が雪雲を遮断する「佐渡効果」があるそうです。この地域が県庁所在地になった理由の一つが「佐渡効果」である可能性を考えると、気象が文明に影響した例として面白いですね。
1日目は、
科研 費 「北極振動によるエルニーニョの予知」関連集会でした。
・石塚翔大さん (新潟大理) 「北極海漂流ブイを用いた海氷速度場の長期変動解析」
海洋の熱塩循環や大気海洋間の熱輸送を研究する上で重要な要素の一つとして、海氷の厚さがあります。しかし、衛星観測では正確に計測できず、直接観測も機会不足で普及していません。最近の研究では、海面での熱収支から海氷の厚さを推定する方法が確立されました。海氷域での乱流熱フラックスの見積りに不確定な部分がありますが、実測値と比べて大差ない推定ができます。
熱収支ではなく、海氷の速度と大気の風速から海氷の厚さを推定することもできます。石塚さんの研究では、この方法を使用するため、必要なデータセットを作成しました。
熱力学的な観点ではなく、力学的な観点から海氷の厚さが推定できることに興味を持ちました。また、実際の風と地衡風との差が大気の安定度と関係しているそうなので、勢水丸などで観測した大量のラジオゾンデデータを解析してこれらの関係をプロットしたら面白そうだなと思いました。
夜は、咲花温泉に宿泊しました。水温が高いと緑色のお湯なのですが、水温が低くなると白く濁ったお湯になるという変わった温泉でした。また、食事は囲炉裏を囲んでゆったりした時間を過ごすことができました。新潟のおいしい日本酒を飲みながらの懇親会は朝4時過ぎまで、様々な議論が交わされた内容の濃い時間でした。
2日目 (2.29)
2日目は、
GRENEネットワーク北極気候変動研究事業の中の浮田藩会合でした。
この集会では、僕も「JAMSTEC研究船『みらい』に常設されている超音波風速計がとらえた乱流フラックス」という題で発表を行いました。北極海で直接観測された乱流熱フラックスを海氷あり海域と海氷なし海域で比べたもので、海氷あり海域の方が値が小さいことが分かりました。たくさんの質問や助言をいただけ、嬉しかったです。と同時に知識不足でしっかり答えることのできない質問もあったので、もっと勉強しようと思いました。
昼食は、米粉野菜カレーを食べました。まろやかでおいしかったです。
・高谷康太郎さん (JAMSTEC/RIGC) 「北半球寒冷域の大気循環」
発表内容の中心ではないのですが、極域研究のまとめで、熱帯の対流活動は大気循環の「エンジン」なので、多くの研究者がいるが、極域の研究者はまだ少ないことが指摘されていました。熱帯の大気循環の「エンジン」に対して、極域は海洋循環の「エンジン」です。極域の研究は、まだそれほど進んでいないそうなので、未知のことが多く残されており、研究対象として面白いと思いました。僕も、北極海の乱流フラックスを直接観測から求める研究を始めましたが、何か面白い現象がないかワクワクしながら研究を進めています。
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