今回私は乗船が2回目だったこともあり、船酔いも大丈夫だろうと油断していたのですが、初日はさすがにダウンしてしまいました。
黒潮流域は揺れるということを乗船前の自分に伝えたい...。
「アネロンを飲んでおけ!」と...。
ただ、黒潮流域を越えてしまうと梅雨前線の南側だったこともあり好天に恵まれ、海も始終穏やかでした。
観測項目は、
CTD/LADCP観測・VMP-X観測
乱流フロート
ゾンデ観測・高層気象観測
ハイドロフォン付き深海フロート
私自身初めて観測したものも多かったのでここで少し紹介したいと思います。
ゾンデ観測・高層気象観測
おなじみゾンデ観測。ただ三重大学の勢水丸と違って、自動放球というものがありコンテナで基本的には作業がすべて終わっちゃいます。放球時は写真右のようにコンテナの一部扉を開きます。楽!
CTD観測
こちらもおなじみのCTD観測ですが、今回は海嶺周辺海域にて4日間の定点連続観測を行いました。(ヨーヨー観測というらしい)
そして採水も行いました。揚水したCTDから水深別の海水を採水してそれぞれのデータ(今回は塩分)を調べます。海底の水(水深2000mほど)は冷たくて気持ちよかった~!
ここでCTDの小話をすこし。
昔は船で出た生ごみなどはそのまま海に排出されていたらしく、その横でCTD観測がされていたりして信用ならないデータがちょいちょいあったらしい。
どんなんや笑
ハイドロフォン付き深海フロート(MOBYフロート)
海底地震を検知すると自動で浮上してリアルタイムでデータを送信している。
→今回新たに3台投入したフロートは最新型で、CTD観測もできるようになったらしい!
自分が関わった航海のフロートが、今も太平洋を漂いながら健気にデータを送ってくれていると思うと、目頭が熱くなりますね。
写真右に見えるアンテナはCTD観測をするもので、とっても小さい!
現在観測中のものはリアルタイムデータが
こちらのサイトで見られるよ。
乱流フロート
定期的に水深2000mまで潜航・浮上を繰り返し、乱流、水温、塩分等を計測できるもの。こちらはMOBYフロートと違って海に放流させた後回収しに行きます。
驚いたのが、フロートの回収!
回収する際は、フロートの緯度経度情報だけから探し出すのです!
↓左写真は乱流フロート、右写真はみんなでデッキに集まって、血眼になってフロートを探している様子。
↓左写真中央をよく見るとフロートの旗らしきものが(クリックで拡大してみてね)!見ての通り大海原の中からフロートを見つけ出すのはなかなか至難の業である。右写真はボートを下ろして回収しに行く様子。
VMP-X観測
海表面から海底における微細な流動を観測する。今回は乱流フロートで得られたデータと比較するため、観測はフロート投入点とフロート回収前に、乱流フロート近傍で行いました。
VMP-Xの先端は毛細血管のようにセンサーが張り巡らされているらしく、とても慎重に作業を行いました。こちらの回収は、本体が大きく乱流フロートよりもスムーズに発見されました、ホッ。
今回の観測では3ワッチ制で、私は8-0担当だったのですがこの時間がいつも楽しみでした。というのも乗船した学生メンバーの中には、バイオロギングの研究や海洋、地震の研究をしていたりと多種多様で、自分の分野以外のお話を沢山聞けたり、同ワッチだったJAMSTECの細川さんや伊地知さんから海外での観測体験や裏話などわくわくするような話が沢山聞けたのです。(もちろん観測もしっかりしましたヨ)
この新青丸航海は、空きが出てたまたま参加することができたのですが、やっぱり観測って楽しいな!
今回の航海でお世話になった先生方やJAMSTECの皆さま、携わったすべての方に感謝です。お世話になりました。
おまけ。釣りをさせてもらった話。釣り自体初体験だったのですが、それを太平洋の船上でできるなんて、なんて贅沢な!(釣り上げることはできませんでしたが笑)
船員さんが釣った鯖をしこたまいただき、下船後すぐにヤマト運輸へ持って行き三重へ直送!
一週間分の献立に組み込まれました。おいしかったです。
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