みなさん、こんにちは!
お久しぶりです。M2の平賀です。
6月17日から6月27日まで、KS-24-10新青丸航海へ行ってきました。航海した海域は、日本海西部の対馬暖流域となります。今回はそれについて日記を書いていきます!
事前準備
新青丸航海には、僕と同期の大橋君が乗船しました。まず、6月14日に津から出港場所である函館へ向かいました。そして、翌日訪船し、新青丸に今回の航海で使用する観測機器や荷物などを積み込みました。そして、京大の吉田さんと僕と大橋君との3人で、ラジオゾンデ機器を設置しました。PCの設定や動作確認を行い、問題がないことがわかったので、お昼前に解散になりました。6月17日の出発日まではフリーだったので、ラッキーピエロのハンバーガーや函館塩ラーメンを食べたり、湯の川温泉に行ったり、函館山展望台に行って写真を撮ったりして、航海に向けて英気を養いました。
いざ、航海へ
6月17日の14時ごろ、出港しました。船が動いていることに気が付かないくらいゆっくり岸から離れていきました。函館港を出て、日本海西部の大和堆付近へ向かって出発しました。最初の一日は、向かい風のせいで波が高かったので、船が揺れました。アネロンが効いてるせいで胃が重たいのか船酔いしているのかわかりませんが、1、2日目はとにかく眠くて、ベッドで横になっていました(気持ち悪くはなかったです)。
気象観測
本航海では、気象班と海洋班に分かれて観測を行いました。気象班はゾンデ観測のみを行い、海洋班はCTDや乱流計などを用いて観測を行いました。僕は、気象班に属し、京大の吉田さん・院生一人、大橋君、海洋大の院生二人の6人で観測を行いました。ワッチは、朝型に優しい48ワッチになりました。
6月18日の23時30分、本航海での一回目のゾンデ放球を行いました。そのあとは、ワッチ通りに動き、3-6時間おきに放球を行いました。19日の5時30分には、僕と海洋大の院生との二人で放球を行いました。学生だけでの放球は初めてでしたので、そわそわ緊張しましたが、無事ゾンデが空高く上がってくれて、データも問題なく取ることができました。ほっと胸をなでおろしました。
新青丸には、ラジオゾンデ自動放球装置コンテナという素晴らしい機器が搭載されています。僕は、手放球はしたことがありますが、自動放球はまだしたことがありませんでした。写真のようにゾンデをセットし、コンテナの後ろがパカッと開きゾンデが飛んでいきます(ちらっと写っているのはラジオゾンデの本体です)。この自動放球装置のおかげで二人だけのワッチでも難なく放球を行うことができました。しかし、この放球装置は船の左舷側に設置されているため、船の右舷側から風が吹いているときにしか使用できません。特にCTDなどの海洋観測を行っているときはこれに当てはまるため、その時は手放球を行いました。
ここにラジオゾンデをセット!
コンテナの後ろがパカッと開く
22日の夕方ごろから低気圧が近づいてきて徐々に風が強くなってきました。23日には低気圧が頭上を通過し、梅雨前線上の低気圧を観測することができました。研究課題は、「日本海西部対馬暖流域における大気・海洋高解像度連続観測による水蒸気輸送過程の実態解明」ですので、ラジオゾンデやマイクロ波放射計を用いて、梅雨前線上の低気圧に流れ込む水蒸気のデータを取れてよかったなと思いました。
ゾンデ観測は、24日15時30分に終了しました。全部で36発を打ち上げました。また、24日の15時35分から23時まで、乱流フラックス計を作動させながら対馬暖流上を横断して観測を行いました。どんなデータが取れているのか楽しみです!
海洋観測
海洋観測では、以下のような多様な観測が行われていました。
CTD(計13回)、XCTD(計12回)、Underway CTD(計2回)、乱流計 VMP250(計13回)、現場式濾過装置(1回)、中性浮力型セジメントトラップ(1回)
僕らは海洋観測を全く行わないため、海洋観測の方たちと交流する機会が少なかったです。初めの方はあまり関わりがなかったのですが、航海後半からは海洋の観測を見学しに行きました。どういう観測機器かを聞いたり、科研費を獲得して自分で観測機器を買えるようになった話を聞いたり、キャリアの話をしたりといろいろな話をして、楽しかったです。
船での生活
船での大きな楽しみは、食事でした。新青丸のご飯は本当に美味しかったです!お刺身、ユッケ、海鮮丼、ラーメン、韓国料理などなど。初日にカニ汁が出てきて衝撃を受け、食事への期待が膨らみましたが、その期待は裏切られることなく最終日まで美味しくご飯を頂くことができました。毎日、7:30、12:00、17:00に出てくるご飯は、船の中での不規則な生活リズムを整えてくれました。
本航海では学生が8人乗船していたため、学生間での交流も楽しみの一つでした。特に、海洋大の院生二人と京大の院生の方たちとは、深く交流できました。進路の話をしたり、研究の話をしたり、プライベートの話をしたりと非常に楽しかったです。一緒に乗船できてよかったと心から思います。
最後の方は、海洋観測の学生たちとも交流し、一緒にUNOやババ抜きや神経衰弱をしました。中国人の留学生とも交流し、普段外国の方と交流する機会が少ないのですごく新鮮でした。日本語が得意でない方とは、英語と日本語を混ぜて話しました。自分は英語が得意ではないのですが、意思の疎通ができた時はちょっとした感動を覚えました。英語しゃべれるようになりたい!と思った瞬間でした。
船は27日に函館港へ到着しました。11日間という長い航海でしたが、非常に有意義で楽しく乗船することができました。
それでは今日はこの辺で、最後まで読んでいただきありがとうございました。
[3回]
PR
COMMENT