忍者ブログ

地球日記

三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/

   

陸海空・環境科学演習~海と空を測ったら自然の不思議が観えた~

連投します.太田です.
6月4日-12日に乗船実習がありました.自分は前半(4日-8日)のTAで乗船し,観測隊長をつとめさせていただきました.
この乗船実習は毎年他大学の学生にも乗っていただいているのですが,前半は諸事情もあって,それに加えて京都大学の吉川さんとその学生,JAMSTECの茂木さんも乗船してくださいました.
観測項目も通常のラジオゾンデ観測やCTD観測のみならず,流速計や波浪計を備えたブイの放流,ターボマップを用いた乱流の計測などが加わり,非常に内容の濃い実習となりました.
実習開始時に実習生に話しましたが,「今回の実習航海は非常に貴重(レア)」というのは誰よりも自分がまず感じていたことです.
この実習でいろんな目標がありましたが,一番上くらいにあった,人生でおそらく1度しかできない経験だから,どんなにつらく感じても楽しもう!という目標は達成できたような気もします.
初日は実習の前に低気圧が通過していたこともあり,海が少し荒れました.
元々自分は乗り物全般がダメで,船は苦手な方です.今回観測隊長を務めるというのも不安でいっぱいでした.
そして案の定,午後から薬が切れてきたのと船が揺れてきたことも相まって,船酔いになってしまいます.
予定していた作業を何とかしのぐので精一杯でした.この時は共にTAで乗船していた先輩や後輩にとても助けられました.
そして,目の前では初めての乗船にも関わらす,ブイやターボマップ設置の準備をする京大生の姿がありました.
頑張っているのは自分だけじゃない!と,気合と根性と薬で船酔いをしのぎました.
薬を飲むタイミングを覚えたのか,波が落ち着いたのか,これ以降酔うことはありませんでした.
2日目からはブイを投入して観測ワッチを回していきました.
3時間おきの海洋観測と,6時間おきのラジオゾンデ観測は予想以上に大変でした.
山田先生と話し合ってTAのワッチを変更したことが非常に良かったと思います.
乗船実習には臨機応変さが重要です.
気象や海洋に関係する研究室の学生が三重大生の前半メンバーでは少なかったのですが,
どの班にも観測に積極的に参加してくれる学生がいてくれたおかげで,TAとしては楽ができましたし,とてもよかったことだと思います.
また,波が荒れなかったこともありますが,京大生も学外生も三重大生も各班の観測の際に誰一人かけることなく観測がし続けられたことは,例年海が荒れて観測に実習生が数人しかいないときもあることを思うとまさに奇跡としか言いようがない気がしました.
当初の予定では定点観測の予定でしたが,前半航海は予想に反して黒潮にめっちゃ流されました.
蛇行している黒潮の外側の黒潮に引っ張られる流れにブイが流され続け,そのブイを追いかけながらの観測でした.
気が付くとブイの投入地点の志摩半島南部から,3日目の夕方には浜名湖南部へ...
4日目には海況が悪化することが予想されたので,観測はこれにて断念.
4日目の朝には勝浦に上陸し,5日目に解散しました.
足の指を少しケガしたのと港についてからも忙しかったので,温泉に入れなかったことは残念ですが,浦島も,中の島も宿泊者限定温泉へと変わり果ててしまっていたので(浦島は工事中だから??),どっちにしても変わらなかったかなとは思います.(笑)
振り返ってみるとあっという間の数日間でした.
失敗や反省すべきこともいくつかあったし,海況の悪化で1日観測が減ってしまいました.
とはいえ,船酔いによる観測の脱落者は0で,予想外の海況によって面白い観測データが取れて,実習生のみんなが充実した日々を送っていそうであったので,初めての他大学との共同の観測をした乗船実習にしては上出来だったのではないか.
と思えてしまいます.
今回観測隊長として,船員さんや,大学の先生や,TAの皆さんや,実習生や,外部の先生や研究者の方,多くの人々とやり取りしてこの実習の準備から終わりまでを見てきました.
書類をやり取りしたり,打ち合わせをしたりと,わかっているつもりでも多くの人々と一緒に物事を進めるのはやり取りが多くて大変です.
学生だからと多めに見てくださった方もいらっしゃたと思いますが,書類の不備や連絡の漏れ等,至らない点はたくさんあったと思います.
そうした地道な努力の結果として,多くの人々による協力ができ,こうして振り返ってみていい実習だったなぁと感じることができるのだと思います.
今まで自分は他人に物事を任せることが苦手でした.
しかし,他人と協力することが前提のこの乗船実習を通して少し考え方を変えることができた気がします.
今回自分が気づかされたのは,任されたことに対して自分が譲れないところは何かを考えるようにすることと,そして,任されたチームのメンバーときちんとコミュニケーションをとることです.
ここだけは自分が関わっていたい,関わっていないとまずい.という点がなにかを考えることで,それ以外は自分以外にもできる人に任せられます.任せた人がどんな人かを知っていれば,
任せる内容にどのくらい自分の意図を込めるかも考えられます.
これは乗船実習中にTAの先輩から,「隊長は全体を見て指示をする立場,どこかの作業に集中するのはほかのTAで大丈夫」という言葉を受け,それまでは自分が受け持つ作業で手一杯だった自分が,積極的に他人にお願いして自分のキャパを開けることで,結果としてうまくいき始めた実体験から気づいたことです.
今まで自分の頭の中ではわかっていましたが,人とコミュニケーションをとっている時間があれば作業をしていた方が楽.とどこか考えていた節があります.
今回の乗船実習全体を通して,実体験を通したことで,考え方を変えることができたんじゃあないか.と感じます.

やらなくちゃいけない,という覚悟だけはやる前から決めていた乗船実習の観測隊長ですが,終わってみればいい経験ができたと感じます.
乗船実習に携わっていただいたすべての方々に感謝を申し上げます.
ありがとうございました.

この駄文・長文を読んでいるかもしれない来年M1の後輩のモチベーションとなることを願って,終わりにしたいと思います.

次回は,7月末に参加させていただく大槌シンポジウムの内容になるかと思います.
前期のレポートがいっぱいありますが,頑張って終わらせて温泉行きましょう.


蛇行にそってきれいに流されました...

拍手[3回]

PR

COMMENT

Name
Title
Mail(非公開)
URL
Color
Emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment
Pass   コメント編集に必要です
 管理人のみ閲覧

最新コメント

[01/11 tropopause]
[09/18 Kajikawa]
[07/25 井上裕介]
[07/25 Kajikawa]
[10/26 緒方]
[10/26 美山]
[10/17 プラダ 店舗]
[10/15 NONAME]
[10/12 juicy couture outlet sales]
[07/11 O型]

Instagram

ブログ内検索

カレンダー

12 2025/01 02
S M T W T F S
1 3 4
5 6 8 9 10 11
12 13 14 15 17 18
19 20 23 24 25
26 27 28 29 30 31

プロフィール

HN:
三重大学 立花研
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
気候について追求する!
自己紹介:
三重大学 生物資源学部
共生環境学科
地球システム学講座
気象・気候ダイナミクス研究室です。

・普段は興味のある気象・気候について研究しています!!

・研究室への質問疑問などなどがありましたら、コメントでも拍手でも構いませんので遠慮なくカキコお願いします!(^0^)ノ

三重大学 Live Camera

空の写真 空の写真 空の写真

Twitter

Facebook

LINE

友だち追加
Copyright ©  -- 地球日記 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]