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地球日記

三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/

   

3隻同時観測 in 勢水丸

どうも,koma2です.
ここ数日,あまりの天気の良さで暑すぎてたまりません.
家のクーラーを使っていないので,ついつい休日でも学校に足を伸ばしてしまいますorz
あまり推奨されませんが,学費分はクーラーを使わしてもらうぞ!という気持ちが働いてしまいますね.

さて,私を含め研究室の大多数の方が6月末から7月9日くらいまで海上での気象観測に行ってきました.
観測自体は 勢水丸(三重大), 淡青丸(東大), 若鷹丸(東北水研)の3隻の船に分かれて同時に気象海洋観測を行うというものでした.
黒潮と親潮の境界にある水温フロントを境に,北と南に分かれて気象観測をするというのが目的です.(たぶん)
3隻同時観測というのはだいぶ前にあったTOGA-COAREというプロジェクト以来?の大規模な観測だったようです.(どうも観測のやり過ぎでこの辺のすごさをしみじみと感じいることが僕にはできなかったですが・・・とにかく凄い観測だったようです!)
参加者としてはこの観測にかっこいい名前がついていないのがもーれつに寂しい限りです.付けた者勝ちなら付けちゃいますよ!と勢水丸組は盛り上がっていましたが..

ここでは勢水丸に乗船した僕の報告というか感想を,まとめるのが面倒なので順不同で思いつくままにひたすら書きたいと思います.
ただし,カメラを持って行かず手元に写真がないので,文章のみという味気ないものになりそうですが.
(こういうときに,写真には残さず目に焼き付ける!という持論を持っていると辛いですね(笑, 写真については後続の方にお任せします)




勢水丸は6月30日~7月9日で 松阪発 松阪着 という航行プランでした.
松阪港付近は沿岸なのになぜか猟師町という地名がありいつも不思議です.
他の船は 宮崎発-塩竈着(淡青丸),塩竈発-塩竈着(若鷹丸)など旨味成分が超豊富なプランでうらやましかったですが,勢水丸のメリットは学生がとにかく多い!というものでした.
北は北大から,南は九大までと総勢19名の多種多様な学生が乗船し,共にワイワイと観測を行いました.男女比も約半々ぐらいといったところで,メンバー的にも男臭さ少なめ女子力多めで,松山ケンイチや小雪,マナカナのどっちかといった芸能人の方も乗り合わせており,観測航海にしては珍しい雰囲気をもっていた気がします.
研究室からは僕,吉岡,安藤,Alima,coda,鈴木,谷口の7名が乗船していました.
観測海域は一応東北沖と言っていましたが,今思うと何と呼べばよいのかわからない海域でした.東経143度,北緯37度付近で松阪からは約40時間ほどで到着しました.測点の場所をアップしたいところです,やり方がわかりませんのであしからず.


勢水丸は3隻の中で最も観測期間が短い,かつ乗船人数も多いので,観測自体は楽だとたかをくくっていたのですが,侮るなかれ準備期間を完全に忘れていました.ホームの船ということもあり観測前,観測後に準備片付けに勢水丸に行くことが多く,単位月辺りの勢水丸の訪問数は人生で一番多いのではという位勢水丸に訪問し,仕事量は3隻の中でもっとも多かったのでは?という感じでした.目先の利益に飛びつくのではなく,全体を通しての旨味を見極めることが大事だとよい勉強になりました.

 
観測をやった感想としては,目立ったトラブルも特に無く,淡々とやり慣れたゾンデ放球を行ったな~というシンプルな感想しか抱かなかったです.学生が多いため作業員の数も多く,観測自体はやはり楽でした.
作業自体は僕のワッチだと,ゾンデ放球,バケツ採水による測温のみでしたの,他のワッチに比べさらに楽でした.
他船は色々とトラブルが発生し大変だったと聞いていますが,勢水丸は終始穏やかだったと思います.
真剣に観測プロファイルを見ていなかったのですが,半端無いと思ったプロファイルが一つありました.
2000m以下くらいで風向が完全に反転しているというものだった気がします.確か放球後から2000mになるまでの間に南風から北風にシフトするというもので,高度が上がる度に時計回りに風向が変化しているものだった気がします.
風速はその間はほぼ一定だったのですが,こんなに低い高度で風向が逆転しているのはすさまじいなと思った気がします.
後日,淡青丸の結果を少し見せてもらったら,ゾンデが激しく下降しているプロファイルがいくつかあり,それはそれでおもしろいなと思いました.ゾンデが下降するのは,強い下降流がそこに存在しているや,雨で濡れて重くなったため下降するなど見方があるのですが,夢見がちな僕としては強い下降流があったと信じたいところです.


観測期間中の何日に何があったという記録は残していないのでわからないのですが,霧に覆われている日にちが結構あった気がします.特に夜になると霧が発生し,湿度90%以上という値を良く目にしたと思います.
勢水丸は3隻の中で最も北に位置しており,比較的冷たい水温の上にいたので,他船に比べよく霧に遭遇したのだと思います.
この辺は久しぶりに船に乗って綺麗な星空を期待していた自分としては,ちょっぴり残念でした.特に期間中に七夕を迎える身だったので,光の無い海上で美しい天の川を!という期待は綺麗に粉砕されました.
しかしラスト放球が七夕の日か前日だったので,バルーンに皆の願いを書き放球しました.高度十数kmまで願いを届けるチャンスなんて人生でそうそう無いので,神様が願いを聞き届けてくれる優先順位もあがるかもしれません.
すぐに割れたら絶対に叶わないだろうな~なんて冗談を話しつつ,皆思い思いの願いを放球しました.
本番のバルーンに文字を書いて放球したのは川合さんには内緒にしたいところですが (笑


外洋にでる航海で楽しみの一つは海洋生物との出会いです.自分としては珍しい気象現象よりも期待していたかもしれません.
今回勢水丸が遭遇したのは,雑把にいうとイルカ,鯨,オットセイ?,シイラという感じになります.
やはり何回見ても野生の動物を見る度に,本当に野生でいるのだな~としみじみ感じ入りますし,これだけ広い海にいるのにピンポイントで出会う妙はいつも感じます.
オットセイに至っては,漂流物に乗っかって休んでいる姿というすばらしいものだったようですが,残念ながら僕は寝ていました(今観測の中で最大の後悔です.)
鯨は帰りの道中に相模湾?に入ったときに群れに遭遇し,潮を吹きまくっている姿を見てなかなかに壮観でした.
船員さんに聞いたのですが,鯨とイルカを分けるのはサイズの違いだそうです.確か4mを超えるものは鯨でそれ以下はイルカになるそうな.つまり,なんちゃらイルカと呼ばれるものは最大でも4mくらいまでにしかならないそうです.まあ,それでも結構でかいですが.
シイラは不運にも,悠々と海を泳いでいた数時間後には人間の胃袋に入っていました.この辺は生き物を食すという人間の業を感じずにはいられませんね.


船内生活では,勢水丸は実習船ということもあり他船に比べ学生がやる部分が多いです.食事の準備片付けから,船内の掃除と,研究航海に行ったというよりも実習航海に行ったという感は否めません.
僕のワッチは 0-4 だったので観測項目自体は少なく,作業は楽だったのですが生活面は割に厳しかった気がします.
陸上にいた時に,各ワッチとワッチ毎でどの食事の当番をするか何と無しに以下のように決めました.
0-4 朝食
4-8 昼食
8-0 夕食
決めた際にはcoda君と完璧だな!なんて讃えあっていたのですが,実際に始まるとあまりの厳しさに発狂寸前でした.
0-4ですと朝の4時にワッチが終わり,その2時間30分後に掃除,掃除の後に食事の準備,食事後に片付けと全てが終わるのは8時過ぎでした.その4時間後に次のワッチが始まるので,睡眠はブチブチの短時間でしかとれず,髭の伸びが悪かったです.
三重大の船なだけに,掃除も三重大生が主体でやらねばというプレッシャーを感じてこっそりさぼることもできませんでした (笑
一緒に乗っていた東北大の須賀先生曰く,0-4はワッチ後は朝食を取らず昼まで寝ているのが普通なので,今回のワッチ編成は厳しく,学生が心配だとのことだそうでした.
そういう情報は早く言ってくださいよ~!と先生に泣きつきながらも,自分のワッチなだけに時間を変えようと進言する勇気もなく観測期間中耐えました.今後,ワッチを組むことがある人は要注意です.陸に居るときには思いのほか,海上生活を考えていませんので.

淡々と仕事をする日々のなか,唯一の楽しみはワッチ後の飲み会です.観測前半では様子見といった雰囲気があったので,なかなか飲み会はなかったのですが,終盤数日は毎日飲んでいたのではという気がします.
当初,大量のビールを持ち込んでいたので余るのではと危惧していたのですが,杞憂でした.すっかり無くなってしまい,むしろ不足気味だったかもしれません.
飲み会では須賀先生の爆発的なトーク力と,東京海洋大学の小橋先生の絶妙なお酌で終始盛り上がりを見せていました.須賀先生の話題の豊富さと話易さには驚嘆と共に学ぶことが多いです.小橋先生も杯が空くと乾かぬ内にお酌をしてくださり,こっちが申し訳ないと思う位気を回してもらえる方でした.
また小橋先生の鋭いつっこみにより,勢水丸の文字ロゴ(船体にも書いてある勢水丸という文字)の真相を暴いたことも,鮮烈に記憶に残りました.


そろそろ疲れてきたので,ここらで筆を置こうかと思います.様々な思いがありましたが,行けば総じて楽しかったなといったところです.
ですが,結局この観測のターゲットとしたい気象現象や,観測データは誰か解析するのかといった謎は今だ良くわかっていないのですが.

他の方の報告も楽しみにしています.

でわでわ.
koma2

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HN:
三重大学 立花研
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
気候について追求する!
自己紹介:
三重大学 生物資源学部
共生環境学科
地球システム学講座
気象・気候ダイナミクス研究室です。

・普段は興味のある気象・気候について研究しています!!

・研究室への質問疑問などなどがありましたら、コメントでも拍手でも構いませんので遠慮なくカキコお願いします!(^0^)ノ

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