こんにちは.B4の安藤です.
6月20~30日に東シナ海で長崎大学練習船「
長崎丸」を使って,気象・海洋観測を行いました.梅雨前線や黒潮,台風の時の大気と海の構造を調べることが主な目的です.三重大からは,アリマさん(D1),緒方さん(M2),西川さん(M2),大鹿さん(M1),吉岡さん(B4),安藤の6人が参加しました.
0日目(6.19)
飛行機で長崎まで行きましたが,中部空港に到着したのは出発20分前でした.今年に入って7回目の飛行機で,慣れてきたので待ち時間をなるべく短くしようと考えました.でも,朝は出発便が多いので混雑していて,手続きに時間がかかり,乗り遅れそうでした.電車感覚で空港に行ってはいけないと反省しました.一緒に行った三重大の方にはご心配をおかけして申し訳ありませんでした・・・.
長崎で茂木さん(JAMSTEC)と合流して昼食をとった後,長崎大学に行きました.万田先生,緒方さん,吉岡さんはアンテナ設置などで長崎丸へ向かい,それ以外は留守番をしていました.
参加者全員が到着したところで,今回の観測に関する説明がありました.明日以降の天気図を見ると,梅雨前線と水蒸気前線の両方を観測できる状況になっていました.非常におもしろそうなデータがとれる観測になりそうで楽しみになりました.
観測説明会の後は,長崎駅近くで懇親会がありました.茂木さんを中心に大いに盛り上がっていました.互いに親睦を深めて、明日からの観測に向けて一致団結しました.
1日目(6.20)
6時半に出発して,7時半前に長崎丸に到着しました.船は長崎から那覇へ向かいました.観測ワッチは0-6(0~6時と12~18時の観測担当)で,最初はワッチ外ですので,ゾンデの糸巻きをしました.ただ,船で下を向いて何か作業を行うと酔いやすいので,途中からは横になって作業を行いました.観測はラジオゾンデとXBTを使って1時間ごとに行いました.日中の観測ではバルーン隊の担当でした.船員の方にも加わっていただいて雨が降る中でも非常にスムーズに準備ができました.ゾンデ観測の作業は,毎回基本的には同じなのですが,船と陸とでは異なることも多いですし,改良点もあるので,それらに早く慣れなければいけませんでした.
今回の航海は,生物系の研究者の方も乗船されていたので,トロールが行われました.ヒトデやエビの他,ウナギのような長細い奇妙な生き物もいました!ほとんどが,泥なので揺れる船上で選別作業を行うのは大変そうですが,慣れているだけあってあっという間に作業を完了させていました.
2日目(6.21)
深夜の観測では,緒方さんの指導の下,オペレーターを担当しました.雨雷を伴った豪雨と晴れに近い天気が何度も繰り返され,どのような天気図,雨雲分布になっているか気になりました.船も大きく揺れて船酔いと眠気で意識がはっきりしていませんでしたが,何とか任務をこなしました.
この日の夜には,満天の星を見ることができました.周りに人工の明かりが全くないので,暗い星までよく見え,とても幻想的でした.
3日目(6.22)
那覇に到着しました.レンタカーを借りて,美ら海水族館に行きました.往復4時間かかりましたが,様々な海の生物に癒やされました.
また,近くの海洋文化館でプラネタリウムがありました.沖縄の夏の星座など普段とは違う星空を楽しむことができました.
夜は5月の観測でも利用した「あんがま」で夕食をとりました.せっかくの機会だったので沖縄の地ビールを飲みました.飲みやすかったと思います.
4日目(6.23)
那覇を出航して西表島に向かいました.ゾンデ・XBT観測は6時間ごとだったので,ゆっくりできました.水平線に沈む太陽が幻想的な風景でした.
5日目(6.24)
長崎丸は西表島の船浮湾に停泊して,ボートで上陸しました.ほとんど人がおらず,静かでした.海にも足まで入りました.水温が暖かくて何時間入っていても大丈夫なくらいでした.
台風5号が接近していたため,風が強くなり,白波が立ってきたので予定より早く船に戻ることにしました.しかし,沖にいる長崎丸が白いもやに包まれたかと思うと,突然激しい雨が降ってきました.雨宿りをしましたが,一向に収まる気配がないので豪雨の中ボートで帰りました.もちろん,全身びしょ濡れです・・・.
夕方から世界初(?)の台風の一時間間隔でのゾンデ観測を行いました.暴風が吹き荒れる中,なんとか上げることができ,データを受信することができました.北に開けた湾だったので,台風が通過するまでは,波はほとんどありませんでした.しかし,通過後は北から台風の波が到達し,大きく揺れました.
6日目(6.25)
大雨の中,再び西表島に上陸しました.資料館があり,この集落の歴史・文化などが展示されていました.この島は,強制移住させられてきた人が住んでいたなど複雑な歴史を持った場所だと分かりました.
7日目(6.26)
石垣島に到着しました.まず,川平湾に行きました.白浜と海とのコントラストがとても印象的でした.
その後,万田先生,茂木さん,山田さん(東北大),安藤の4人は海の見えるおしゃれなカフェに寄りました.万田先生,山田さんはほろ酔い状態になりました・・・.
海岸近くの公園でTHE BOOM,BEGINなど沖縄にちなんだライブが行われていました.「島唄」や「島人ぬ宝」など誰もがよく知っている曲が多かったので,楽しむことができました.観客は沖縄の方がほとんどで,独特の踊りやリズムの取り方で盛り上がっていて,歌の力を実感すると共に,文化に直接触れることができました.
夕食後はお風呂に入りました.久しぶりに湯船に入ってくつろぐことができました.
その後,万田先生,山田さん,安藤の3人でレゲエのバーに行きました.バーに行くのは初めてでしたが,落ち着いたところで「大人」の雰囲気を味わうことができました.泡盛は少ししか飲めませんでしたが,いろいろとお話ができて充実した時間を過ごすことができました.
8日目(6.27)
今日も石垣島を探索しました.まずフサキビーチで泳ぎました.安藤は泳ぐ準備をしていなかったので,写真を撮って楽しみました.西表島と違い,水温は低めでした.それほど離れていないのにどうしてこれほど違うのか,地形による流れの影響が大きいと思いますが,気になりました.
その後,石垣島鍾乳洞に行きました.世界で初めてイルミネーションを行った鍾乳洞だそうで,様々な形の鍾乳石や石筍があり,自然が創り出す芸術作品に見とれました.
夕方,石垣島を離れて長崎へ向かいました.
三井君(長崎大)と大鹿さんから観測の説明がありましたが,しっかりした発表で見習うべき点が多くありました.ワッチは前回同様0-6になりました.観測は時間間隔で距離間隔で行うことになりました.これは,黒潮の影響で時間間隔だと等間隔で観測を行うことができないためです.
9日目(6.28)
今回は大鹿さんの指導の下,ゾンデのオペレーターを担当しました.梅雨前線を観測したときと違い,天気も安定していたためそれほど揺れることはありませんでした.黒潮は普通の海面と比べると大きく波立っていることが実感できました.
また,湿度も高く,船外へ出ると眼鏡が曇って前が見えなくなるほどでした.緯度が低いので,上空へ行くと西風ではなく東風が吹いていることがデータから分かりました.教科書には良く書かれていることですが,実際に見ると感動します.
黒潮を通過した後は,XBTのみの観測になりました.
また,湿度計の更正のため,アスマン乾湿計を使って湿度を測りました.八丈島観測でも使いましたが,その時はゼンマイ式で,よく巻くことを忘れたり,ネジを紛失したりと手間がかかりましたが,今回は電動式だったので簡単に計測できました.
10日目(6.29)
8時台のXBT観測が最後でした.後は,観測機器の片付け・荷造りを行いました.
夜は,観測データを共有した後,観測お疲れさま会を行いました.さらに,交流を深めることができました.
11日目(6.30)
9時頃,長崎港に入港しました.観測機器を下ろした後,解散しました.
アリマさん,大鹿さん,吉岡さん,安藤の4人は,時間があったので長崎市内の商店街や眼鏡橋を見ました.長崎市は全体的に小さく,起伏が大きいので立体的な構造をした町でした.
その後,飛行機に乗って神戸まで行き,高速バスに乗って名古屋まで帰りました.
まとめ
梅雨前線,黒潮,台風を直接観測するという非常に充実したものでした.4年生が主体の観測計画もあり,どのように計画立てていくか参考になりました.また,那覇,西表,石垣の自然や文化に触れることができ,研究意欲を刺激しました.
万田先生,茂木さんをはじめ,東北大,弘前大,長崎大の方々には大変お世話になりました.また,長崎丸の船員の方々には,ご迷惑をお掛けしたこともありますが,観測をはじめ様々な面でサポートして下さりありがとうございました.
[5回]
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