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地球日記

三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/

   
カテゴリー「学会」の記事一覧

行ってきました気象学会! 2013春季大会@東京

どーも!お久しぶりでございます!B4の中田です!
約2年ぶりの投稿です.もうブログのIDとか忘れちゃってました...てへぺろです.
 
 
さて,行ってきました気象学会2013春季大会@東京!
研究テーマを決めなければいけない僕としては自分の興味を満たしてくれる研究発表に期待しつつ向かったわけであります.
順を追って振り替えっていきます.
 
 
 
最初に向かった先はB会場,主に人口降雨に関する研究についてです.
人口降雨と聞くとなにやら怪しげでおもしろそうだったのですが,基本的には飛行機で雲底付近に雨粒の元になるものをばらまいて,雨雲になるか,というものでした.
 
そのばらまくものが氷晶だったり,液体炭酸だったりしたわけですが,三宅島付近で液体炭酸をばらまいたところ,風下に向かって降水帯が形成されたときもあったみたいです.まあでもそのときの環境場と,地形による上昇流が結構影響するみたいですね.
 
 
午後からはまだ記憶にも新しい去年5月のつくばを襲った竜巻や,去年九州を襲った豪雨,梅雨前線についての様々な影響など,主にメソスケールの現象の解析が中心のセッションでした.
 
いろいろな方の発表から得た知見を箇条書きで羅列します.
 
竜巻に関して
・2012年5月 つくば
   ・竜巻を動画,画像で記録している人が多く動画などからも検証しえた.
   ・親雲は教科書で出てくる模式図のような典型的なスーパーセルであったらしい.
   ・初期段階で,2,3個の渦ができ途中で合体?し,それによって接線風速が増大.
   ・PIV・・・竜巻の動画から風速を矢印で可視化できる!?
   ・RFD・・・Rear-Flank Downdraft が竜巻発生のトリガー・・・?
 
このつくばの竜巻は竜巻スケールでいうとF3だったらしく,観測史上最大の大きさの竜巻だっただけに興味深いですね.
まだ解析段階って感じで,竜巻発生のメカニズムに関してはまだまだ謎が多いですね.
 
豪雨に関して
・2012年7月 九州北部豪雨
    ・降水帯が2時間停滞
    ・解析してみると,複数の降水システムが次々と九州北部に集中し,結果として2時間停滞していた.
    ・この時南に台風が来ていて,水蒸気と熱を九州北部ににガンガン輸送していた.
    ・梅雨前線が付近に停滞していたので,少しの水蒸気と暖気移流で降水システムが発達する状態だった.
・2012年8月 宇治大雨
    ・九州の豪雨同様,複数の降水システムが存在していた.
    ・大阪湾付近は降水システムが停滞しやすい?
    
梅雨前線が停滞している状態の大気は少しの影響で激しい降水をもたらすポテンシャルを持っているようで,研究している方が多いのもうなずけます.
 
 
 
3日目午前中は台風についての研究が中心のセッションを聞いていました.
 
   ・MJOが熱帯低気圧の発生に影響している.
   ・圏界面付近に暖気核を持つ台風があり,モデルNICAMで解析し,この暖気核は成層圏下部からの移流により,日断
    熱過熱によるものである.
   ・将来的に東シナ海付近のSSTは2℃上昇,それにより,熱帯低気圧の風速は20m/s上昇するという数値実験結果
    が得られた.
 
午後はシンポジウムがあり,そのなかで琉球大の山田先生の講演は聴き手にもわかりやすく,おもしろかったですね.
これからの台風観測は,モデルがもっと精度が上がるはずなので,台風内部のデータを充実させていかなければならない.そのためには,航空機にドップラーレーダーを搭載し台風の上空を飛んで,観測するのが一番良いとおっしゃってました.
 
ちなみに琉球大は英語で書くと,「University of RyukyuS」とSがつくらしいです.笑
 
 
 
学会については大まかにこんなところでしょうか.
東京の眠らない街にも行ってみましたがやっぱすごいところでしたね.
 
これから卒業研究に向けて頑張らねば!ということで学会の報告でした.

 

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2013春の気象学会@東京

M2安藤です.

5/15〜18に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された2013年度日本気象学会春季大会に参加しました.

感想などこちらに書きました.

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春気象学会@オリンピックセンター

M2吉岡です.
東京のオリンピックセンターで開かれた気象学会に行ってまいりました.
5月17日は台風のセッション!
その中で,台風セッション最後に名大の坪木先生が発表されていた

「B309  気象庁ベストトラック強度データの経験的補正と強い台風の経年変化」

になかなか衝撃を受けました.
ベストトラックは台風の中心位置や強度を示したデータで,多くの台風研究者が使用しています.
もちろん私もそのデータを使って解析を行っています.

この発表では,
近年,ベストトラックデータをみると強い台風が減ってきている!?数も減っているし強度も弱まってる.しかしJTWC(アメリカのデータ?)はそんなことはない!なんかおかしい・・・
ということで調べたところ,どうやら1980年代以降,JMAベストトラックデータでは強い台風の強度が過小評価されているようだ.とおっしゃっていました.

なななんと.この台風たいしたことないなーとか思っていたやつも,実はものすごい台風だったかもしれないってことですね.
私の研究事例の台風はどうなんだろう?と気になりましたが,この過小評価は特に強い台風のときだけで,弱いor普通の台風は問題ないとか.私のはそんなに強くないので大丈夫そうです.やっぱり,強い台風は色々と測るのが大変なんですね.

私は台風中心位置を決定する時,ベストトラックだけでなくレーダーを細かくみながら決めたのですが.やっぱり何かのデータを用いるときは,ただそのデータをまるっきり信用するのではなく,他とも見比べながら検討したほうがいいんだなぁと感じました.
といっても別に批判しているわけではなくて.研究をしていく上でこのようなデータは非常に助かるし,そのおかげで多くの方の研究は成り立っています.もっと精度が増して,強い台風もしっかり測れるようになって,今後更に台風研究が進んでいくと嬉しいです(^^)

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緒方@2013春気象学会

【宣伝枠】
 
5月15日は朝から新宿に出没しました。お久しぶりです。オガタです。
 
到着が早すぎたので大会開始まで時間があまり朝は色々とぼーっと時間を潰しておりましたが、
この日から気象学会!しかも一番の見所である極域連絡会が予定されていたので、
自分にとってはこの初日が今回の気象学会のメインでありました!
 
そんなこの日は朝から曇天…。
国立オリンピック青少年総合センターでの気象学会に参加したのは4年ぶりだったのですが、
確かその時は雨だったことを記憶しております。
朝から曇った空を見上げて、今回もそんな風に天気が悪い気象学会なのかと思っていたのですが、
昼からはお日様が照りつけるとてもよい天気でありました!風が気持ちよかったことを記憶しております。
 
この日は三重大学 地球研 D2の西川さんのポスター発表(P102)がありました!
こんな様子でした。
ogaIMG_0452.JPG
西川さんの話を危機に人が引っ切り無しに詰めかけるという大盛況ぶり!
流石です!!!
三重大の勢水丸と他2隻を使った3隻同時の大型観測の結果を用いた研究です!
三重大・立花研に来たらこんな大きな研究が出来るんだぜ!ってことを見事に体現しておりました!
今後の西川さんの研究に注目です!
 
午後のセッションではこの西川さんの研究と同じく2012年の3隻同時観測と関連した発表がいくつかありました。
A166 JAMSTEC 川合さんの発表でも立花先生と西川さんの名前がどどんと載っております!
ogaIMG_0453.JPG
もちろん勢水丸の名前も!!
ogaIMG_0454.JPGogaIMG_0457.JPG
 
A167 東北大 吉岡さんの発表にも関わっていたりと西川さんは大人気でした!
三重大の勢水丸もこんな大きなプロジェクトに参加できるとは流石であります!
 
 
観測だけではありません。
データ解析の方ももちろんやってますよってのをA413の安藤くん(三重大 地球研・M2)がみせてくれました!
彼の本当の発表日は4日目の18日だったのですが、1日目の極域連絡会でも発表しておりましたー。
ogaIMG_0472.JPG
安藤くん…ごめんよぅ私のカメラではいい写真が撮れなかった…(;□;)
18日の彼はこんな感じでした。
ogaIMG_0541.JPG
ogaIMG_0542.JPG
これまでは勢水丸に設置された乱流計の解析に勤しんでいた彼ですが、
今回発表した内容は写真の通り2012/13年の寒気とAO・WPパターン・日本周辺の海面水温との関係というタイトルで発表しているとおり、
寒かったこの冬の事例解析でした。
ここから畳み掛けるように解析してババっと論文を書いてしまおうと目論んでいるようです!!流石!!
 
宣伝枠として、最後にご紹介したいのは先々月に三重大を卒業した平野さんの発表(A404)です。
彼女の研究は大学の卒業論文発表会に留めておくのはもったいない!ということで今回の気象学会で発表することになったのですが、
大学を卒業して久しぶりの発表…。お仕事も忙しいところでしょう、発表は大丈夫だろうかとオガタはちょっと心配していたわけですが、
全くの杞憂でした!彼女は以前と変わらずスラスラと研究発表をしておりましたー。
ogaIMG_0527.JPGogaIMG_0526.JPG
発表後の質問もガンガン来ていたことからも彼女の研究がいかに興味深いものだったのかがうかがい知れます。
 
 
 
あと、今大会での発表はありませんでしたが、18日には同じく先々月三重大を修了した大鹿さん(ウェザーニュース)も見学に来ておりました!
オガタを含めて3人で撮った写真ですー。画像ちっさめでご勘弁(;´∀`)
ogaIMG_0544.JPG
平野さんと大鹿さんは現在就職し、それぞれの会社で頑張っておりますが、
ふたりとも素晴らしい研究をしていたので、仕事の合間を縫って自分たちの研究を論文として投稿しようと奮闘しております。
この日も立花先生含め関係のある研究者方と彼女たちで論文投稿に向けた作戦会議が開かれていたようです。
お陰でオガタは二人と別れの挨拶をしそびれました。゚(PД`q。)゚。
 
 
 
 
【興味津々】
 
三重大地球研の宣伝枠はこれで終わりとしてオガタが面白かった研究紹介ですね。
やっぱり15日の極域連絡会が一番面白かったと思います。
色々とワクワクしすぎてあんまり写真を撮っていなかったようです…。
「南極氷床末端部の変動が海洋・海氷に与える影響」という題で発表していた田村岳史さん(極地研)のお話はすごく面白かったです。
なんか見たことある図だなーって思ってたら2011年秋の海洋学会の極のセッションでも今回見せていただいた図などもあったようで、
それで見覚えがあったみたいです。
内容はメルツグレーシャータング(MGT・メルツ氷河舌)がぼっきり折れてしまった影響がどのように現れるのかといったお話でした。
低塩化やプランクトン活動、大気への影響や海氷生成に関するお話まで幅広く紹介していただけました。
個人的にショッキングだったのはMGTが折れたことで一番被害にあったのはペンギンだろうと聞いた時でした…。かわいそう…。
 
分野は違いますが、その後の「グリーンランド氷床の暗色化と雪氷微生物」という題でお話頂いた竹内さん(千葉大)のお話も面白かったです。
個人的に、表彰の暗色化はエアロゾルが主な原因なのかと勝手に考えていたのですが、
竹内さんのお話で微生物の威力を思い知らされました。
途中にあった微生物のコロニーの形成と消失の動画がもとても興味深かったです。
 
その後の高谷さんの北極域の環境変化がどのように大気へ影響をあたえるのかを
色々な論文からピックアップするような形式で聞くことができたのもとても勉強になりました。
 
 
 
今回の気象学会はこんな感じでしょうか…。
極域のお話(特に南極域)が少なかったのが残念だったところ…。
今年の秋学会にはもしかしたら極域のスペシャルセッションもあるそうなのでそちらを楽しみにしたいと思います。
 
 
長くなってしまいましたがこれにて失礼致します。
ではでは。

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気象学会 2013 @東京

気象学会 2013 @東京
 
こんにちは,コダです.東京で開かれた気象学会春季大会に参加させていただきました.今年の学会は4日間にわたり,研究発表のほかに勉強になる講演やシンポジウムもたくさんありました.
 
 興味深かった研究や講演を紹介していきたいと思います.
 
中層大気
 
・赤外線測器を用いて南半球冬季の成層圏における重力波の伝搬特性を解析した研究では,重力波の水平伝播を解析できるため,南北伝播の重要性を確認することができます.
南半球でのジェット・前線起源の伝播の解析はないため,解析地を南半球としています.
解析結果から南極前線で大振幅重力波が生まれていることが示唆され,また解析図から南半球の一部(緒方さんの研究で氷をなくしている地域?)で大振幅重力波が生まれにくいことも見て取れましたが,それについてはまだ原因は分からないそうです.
 
気象庁55年長期再解析
 
・この会場では55年分のデータ整理がされたJRA55(go-go)と他のデータとを比較した研究を聴講しました.JRA55はJRA25に比べて特に成層圏バイアスがminimizeされており,JRA55の他にJRA55C,55AMIPなども用意されています.それぞれ衛星データ,観測データを使わずに計算,整理したデータだそうで,全部のデータが公開されるのは来年度?になるようです.
これらのデータは対流圏では差はありませんが,QBOの表現に差があるようで,JRA55>JRA55C>AMIPの順で再現性が高いです.
 
                            記念講演
 
 ・グリーンランド氷床におけるアルベドの変化
本学会の中で最も面白い講演の1つでした.グリーンランド氷床のアルベドはここ30~40年でめちゃくちゃ減少しています.それは氷が汚れてきていることからきているのですが,この汚れの原因をつくる犯人はどうもAir CabonやDustを取り入れるクリオコナイトという雪氷に生息する微生物だそうです.この微生物がクリオコナイトホールをつくり,気温変動?によってホールが壊れ,壊れたホール同士がくっつくことで大きなホールができます.この成長したホール内で,有機物が生成され氷床を汚しています.ただ氷床の減少は,その生物にとっての生息地を失うという矛盾というかジレンマがあります.はたしてクリオコナイトが自分の首をしめるような形で生息し続いてきたのかどうかはまだわかっていません.このジレンマを解消する鍵がみつかると面白いですね!
 
 
 シンポジウム
熱帯域における台風の観測とシミュレーション
この講演では,昨年何度も台風を経験された,琉球大学の山田先生が台風シミュレーションについてお話されていました.台風の発生メカニズムがまだ十分に理解されていない現状におけるシミュレーションには,限度があります.また台風の成長に対する正確な予測のためには,いまだ謎につつまれる台風内部の構造データを同化させて,その遷移をみて台風の理解を進めていくべきです.
吉岡さんのデータを用いればさらなる台風構造の理解が深まるかもしれませんね.

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プロフィール

HN:
三重大学 立花研
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
気候について追求する!
自己紹介:
三重大学 生物資源学部
共生環境学科
地球システム学講座
気象・気候ダイナミクス研究室です。

・普段は興味のある気象・気候について研究しています!!

・研究室への質問疑問などなどがありましたら、コメントでも拍手でも構いませんので遠慮なくカキコお願いします!(^0^)ノ

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