こんにちは.B4の安藤です. 11月8~9日に京大防災研で行われた
第8回「異常気象と長期変動」研究集会に参加しました.
自分の研究の小さなスケールではなく,大規模な気象の話題が多かったのでとても新鮮でした.その中から,特に興味を持った話題を3つ紹介します.
・
山下陽介さん(国立環境研) 「化学気候モデルを用いた成層圏QBOの中高緯度大気への影響に関する研究」
赤道域のQBO(成層圏準2年周期振動)が中高緯度に影響を与えるメカニズムの研究でした.QBO西風相がE-Pフラックスに影響を与えて,極渦が強まるというメカニズムがあるそうです.赤道での現象が,高緯度まで影響を与える仕組みが分かりやすく興味を持ちました.
・
佐藤大卓さん(東大先端研) 「暖候期北西太平洋域における雲・降水活動の季節進行と経年変動」
SSTが負偏差,つまり大気安定度が大きいところでは,下層雲量が正偏差になるそうです.これは,長い時間スケールでのことですが,船での観測などで似たような現象を捉えることができたら面白いと思いました.
・
平原翔二さん(気象庁気候情報課) 「温暖化による日本の冬の変化,熱帯との関連-CMIP3を用いて-」
日本の気候に影響を与えるものとして,よくエルニーニョが出てきますが,それより西太平洋の鉛直流の弱化が中緯度の大気場に変化を与えると考えた方が良いのではないかとのことでした.モデルの鉛直流は不確実性が高いので,安定度を見た方が良いとのコメントがありました.データの信頼性も考慮して,解析しなければならないと再認識しました.
あと,少しだけ宇治観光もしました.小さな町で落ち着いた雰囲気でした.
[1回]
PR
COMMENT