こんにちは,にしかわです
先週の月曜日・火曜日,京都大学で開催された
『異常気象と気候システム変動のメカニズムと予測可能性』
(https://sites.google.com/a/dpac.dpri.kyoto-u.ac.jp/workshop/2013)
に参加してきました。
毎年行われている,通称『異常気象研究会』です
さまざまな地域,スケールの現象に関する研究発表がありましたが,
台風の遠隔影響について(九州大学 平田くん)
台風経路の違いで高気圧の強まる場所が異なり,
それによって水蒸気の入り方や収束場所が異なる,
という結果を示していました。
台風の経路がHainanを通るコースだと中部日本で,
沖縄を通るコースだと西日本で水蒸気収束が起こり,
それぞれの地域で降水が活発になるそうです。
太平洋高気圧の張り出しが台風経路の決定に大きく影響していますが,
これにBSISOモードが関わっているのではないか?
とのことでした。
BSISOモードをこれまであまり耳にした事が無かったので,
勉強になりました
台風による水蒸気輸送の同位体を用いた解析について (九州大学 工藤くん)
同位体モデルを用いて台風内部の水蒸気の起源解析を行った研究発表でした。
日本付近になると水蒸気の起源が大きく入れ替わっており,
インド洋からの水の割合が多くなるということでした。
日本付近で潜熱フラックスが低下するにもかかわらず,
水蒸気フラックスが低下せず台風が勢力を維持する原因は,
モンスーンに乗ってインド洋の水が運ばれ,収束するためではないか?
ということでした。
インド洋起源の水が台風と関わっているとは思わなかったので,
とても興味深かったです
2010年7月のブロッキング高気圧と移動性擾乱について (JAMSTEC 山崎さん)
ロシアのブロッキング高気圧について,
移動性高気圧がブロッキングの持続に影響しているという発表内容でした。
移動性高気圧はブロッキングに吸収され,
移動性低気圧は遠ざけられるという選択的吸収が働いており,
モデルにおいて移動性高気圧をなくすとブロッキングの弱化が確認されていました。
アニメーションでの移動性高気圧がブロッキングにどんどん吸収され,
持続している様子が大変面白かったです
気象学会では,自分の研究に近いスケールや現象の発表を聴きに行ってしまいますが,
この会合では対流圏から成層圏まで,
全球規模だったり台風くらいのスケールだったり,
データ同化のお話だったり,
普段聴く機会の少ない研究について触れることが出来るので,
毎年楽しみです
ちなみに,ばっちりお好み焼きも満喫してきました
美味しかった
でわでわ,この辺で [1回]
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