こんにちは、B3の河合です。
今回は6月25日~7月9日に行われた三陸沖観測について書いていきます。
航海の長さに比例してものすごい長文になってしまいましたが、お付き合いください。
航海前は、B3でありながら、このような大きなプロジェクトに参加できる嬉しさと、本当に足を引っ張ることなく、やりきれるかの不安でいっぱいでした。航海が終わった今も、観測で役に立てていたのかの確信はありませんが、観測の楽しさを大いに知れた事と今後行うであろう研究への高いモチベーションにつながったので、それが少しでも伝わればと思います。
出航から二日目にかけては、熱低に変わった台風の影響もあり、大きく荒れました。この航海での最大傾斜を体験した夜中には、部屋中のものが揺れでずりずりと動く音と、苦しそうな学生の声でにぎやかでした。
この日の午後から、練習のための観測が何度か行われた後、6月27日の16時半から約3日間の集中観測に入りました。12時間ごとのワッチ交代制で、ラジオゾンデ・XCTD・バケツ採水を一時間ごとに行い、勢水丸内でも観測と並行で、先輩方の手によって解析が行われていました。
6月27日23:00~6月28日11:00
絶対にデータ欠損を起こしたくないというプレッシャーの元、なんとか最初のワッチを乗り切りました。私の属する夜ワッチ(23時~11時)の観測では、海が荒れたことにより、放球失敗が何度か起こってしまいましたが、再放球でデータがとれており胸をなでおろしたのを覚えています。デッキで観測していると、体感温度でも水温前線を感じる事ができ、これが観測の醍醐味かと感動しました。なにより、バケツ採水の結果が毎度一番の楽しみとなるほど、目に見えて水温が変わっており、常にわくわくしながら観測していました。
6月28日23:00~6月29日11:00
二度目に回ってきた集中観測内の夜ワッチ作業は、前回と比べ凪だったこともありだいぶ観測を行いやすかったです。しかし、日付が変わったあたりで漁船の張っていた網の影響で、観測点の変更を余儀なくされました。データとして面白そうな測点だったので、残念でした。やはり水温が変わる場所は魚も集まり易いのでしょうか。
この日の朝5時ごろに、TV局に送るための動画を撮影しました。放球までは良かったのに、そのあと任された作業が、私の一番苦手なバケツ採水でした。あのへたっぴ動画が、これ以上世に出回らない事を願います。
6月29日23:00~6月30日6:00
最後の集中観測内ワッチでは、前回同様、漁船による測点の変更をせざるを得ませんでした。観測データが面白そうなところは、やはり魚も好きなのでしょう。この日も順調に観測を行う事が出来ましたが、体力が持たなくなり、観測の合間でのPC作業は行えなくなっていました。そんな疲れた状態で何よりもうれしかったのが、イルカと朝日を同時に見れたことでした!これが昼ワッチから聞いていたイルカだ~とテンションが上がったのを覚えています。
6月30日集中観測後
集中観測後、新青丸とのランデブーがありました。
声を出せば届く距離まで近づくことができて、船ならではの体験でした。
この後からも、勢水丸のみの単独観測が行われ、大量の海鳥の中観測を続けました。体力配分を間違えたのか、この観測の最後の最後に体調を崩すという大迷惑をかけてしまい、今後のための大きな反省となりました。
7月1日
この日からしばらく塩釜港に入港し、陸地でのリフレッシュタイムがありました。
ただ、暑い。海に比べて陸地はなんと暑いのかと先輩方と嘆いていました。
7月3日
ウミガメ5匹が船にやってきました!
想像以上の大きさと迫力に驚きながらも、バイオロギング研究について学ぶ機会を得る事ができ、とても勉強になりました。
7月5日
塩釜港、出航!!
この日から同期の岸さんが下船し、船内唯一のB3となってしまいました。B3一人でうまくやっていけるのか不安に押しつぶされそうな中、これから頑張ろうと改めて気を引き締めました。
この日の夜から、ウミガメ放流と観測を行いました。ウミガメたちはクレーンによって海に帰っていきました。このウミガメたちがどこにいるか等の情報が、スマホなどからもリアルタイムで見る事が出来るので、今もたまに覗いています。データを見ても、あまり何を考えているかわからないのがウミガメのいいところですね。
7月6日
昨日から続く観測の中、この日の朝方3時ごろに霧が発生していたそうです。この時に寝てしまっていたのが、船で一番の後悔かもしれない…
この日は皆つぶれていて、お昼ご飯はまさかの学生3人!本当にお疲れさまでした。
7月7日
観測も全て終了し、船内での研究発表が行われました。今回の観測に関する議論はもちろん、先輩方の研究について聞くことができ、今後のモチベーションにつながりました。こういった場で、聞いた瞬間に内容を理解できるようになりたい…
この日は七夕と言う事もあり、船内で短冊を飾りお願いごとを書きました。船員さんたちにも書いてもらって、良い航海の締めくくりとなったのではと思っています。
7月8日
松阪港に到着!!
暑い中、手伝いに来てくださった先生や先輩・同期に感謝しながら、積み下ろし作業を行いました。
お昼に全員で食べに行ったウナギが本当においしかったです。
とても長くなってしまいましたが、以上が私の三陸沖観測における「地球日記」となります。まだ何もわかっていないに等しいB3の私に対しても、積極的に話しかけ、やさしく支えてくださった先生方・先輩方に、心より感謝申し上げます。
そして何より、目の前で観測が行われることの楽しさ、そのデータがリアルタイムで可視化されていくことの面白さ、一つのデータから多くの議論が生まれるということ…この航海に参加できたことで、将来の研究や観測に向けて、私自身にとって非常に良い経験を積むことができたと感じています。
もしまた研究航海に乗る機会があるとしたら、次こそは足を引っ張ることなく参加できたらと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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