三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
こんにちは.B4の安藤です.
11月10~13日に大槌町役場 中央公民館で行われた大槌シンポジウムに参加しました.
0日目(11.10)
新幹線で盛岡まで行き,そこからレンタカーで大槌に向かいました.
途中で,鉛温泉に寄りました.立っても肩までつかるほど深い温泉があり,座れないのが難点ですが,体の芯から温まることができました.建物はとても古い趣で,昔にタイムスリップしたかのようでした.
夜,大槌に到着しました.
1日目(11.11)
大槌町中央公民館で海洋パートの研究発表が行われました.
・纐纈慎也さん(JAMSTEC) 「亜寒帯フロントの季節変動」
亜寒帯フロントでは,熱フラックス変動と海が失う熱の変動が大体一致しています.通常は,移流効果があるため,一致しないことも多いそうです.ですので,この領域で熱収支を考えることが容易にできます.ここから海洋混合層の発達には,塩分濃度も影響していることが分かりました.
熱フラックスは海と大気との間を移動するエネルギー量なので,その収支を考えることは,精度の高い熱フラックスを算出する上でも重要なものです.閉じた系で収支を考えることは容易ですが,移流効果があると開いた系になってしまい,収支計算が難しくなります.亜寒帯フロントは閉じた系として考えることができそうなので,ここでの観測データを解析すれば,正確な熱フラックスを評価できそうです.
・植原量行さん(東海大海洋) 「渦構造の抽出と黒潮源流域の渦列」
八重山諸島南の黒潮源流域では,海に渦があります.流軸の左に低気圧性渦,右に高気圧性渦があり,春~夏に増加します.これは,PDO(太平洋十年規模振動)の変動と一致するそうです.
大気に比べると海の現象は変化しにくいので,海の渦の変動がPDOの変動と一致していることは驚きでした.黒潮上の大気にも渦があるはずなので,それとの関連が分かればさらに面白いと思いました.
夜は,懇親会がありました.共同研究者の方とお話ができて良かったです.
2日目(11.12)
午前中は大気海洋研国際沿岸海洋研究センターを見学しました.室内はほとんど片付いていましたが,エレベーターの扉が大きく変形していたりと津波の破壊力の大きさに圧倒されました.また,屋上から大槌の町を眺めることができましたが,ほとんど何も残っていませんでした.その後ろには紅葉した山々があり,移り変わる自然となかなか進まない町の復興との対比に無力感を覚えました.
午後からは,大気パートの研究発表が行われ,自分の研究発表もありました.初めての学外での発表で,とても緊張して手が震え,レーザーポインタを使うことができませんでした.でも,たくさんの質問,コメントをいただけたので今後の研究で役立ちそうです.反省点は個人ブログに書く予定です.
この日も夜は懇親会がありました.他大学の学生の方と交流できて有意義な時間を過ごすことができました.
3日目(11.13)
・小木雅世さん(JAMSTEC) 「北極海の海氷減少に及ぼす北極圏の大気大循環の役割」
北極海の海氷面積は季節変動が大きく,3月に最大になり,9月に最小になることが知られています.この海氷面積と大気場との関係を調べた研究で,高気圧循環が卓越するときに海氷が減少することが分かりました.今まで北極海の海氷にはあまり着目していませんでしたが,この発表を聞いて興味を持ったので,また調べていきたいと思いました.
シンポジウム終了後は盛岡に向かい,途中で大沢温泉に寄りました.露天風呂からは紅葉の風景が見え,心も体もリフレッシュしました.
帰りは東北新幹線「はやぶさ」に乗って快適な帰路を楽しみました.
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