三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
お久しぶりです.B4の永川です.
先日,「族長の秋」という小説を読みました.ある国の独裁者の孤独な在り様が独特な文体で示されており,非常に良い体験をすることができました.とても面白かったです.
そんなことはさておき,5月末頃に東京幕張メッセで行われた日本地球惑星科学連合,通称JPGUに行ってきました.先輩から「地学のコミケ」と称されるほどに様々な発表などが伺えることを聞いており,大きなわくわくを胸に参加してきました.その報告を行わせて頂きます.
今回のJPGU参加においては5月26日から5月29日あたりまでの発表が気象に関わる分野を多く取り扱うものであり,私自身もその部分に集中して参加を行えるようなスケジュールで伺いました.25日などにも参加はしていたのですが,口頭発表については英語で馴染みのない分野の発表が行われており,なかなかな難しさを感じました.ただしポスター発表については日本語で解説を行って頂いたことなどもあり,自身の知らない分野についても理解を深めることができました.火星などでの居住を想定した閉鎖空間での生活に関しての実験や,教育的な側面を持つボードゲームの製作の過程に関しての観察実験など,普段は見ることがないものの,内容としては非常に面白いものが多く,とても面白かったです.
2日目以降については非常に内容が多く,実のある時間を過ごすことができました.まず大きな学びとして挙げられることはやはり黒潮大蛇行セッションや中緯度大気海洋相互作用セッションの口頭発表の聴講です.僕自身が黒潮大蛇行に係る大気海洋相互作用に興味があったこともあり,このセッションでの発表は非常に楽しみにしており,また実際に聴講を通して黒潮や大気海洋相互作用について自身の知見をより深くすることができました.特に次世代衛星高度計ミッション,通称SWOTに関しての発表については,SWOTそのものや,発表内で話されていた,大きく蛇行した黒潮から発生した断水塊の西進に伴う新たな大蛇行の発生の仕組みなど,僕にとっては初めて見聞きするものでありながらも,内容もある程度理解できるものであり,非常に面白かったことが印象に残っています.黒潮大蛇行に伴う東海,関東沖の沿岸昇温に関する発表についても,SSTの上昇に伴って発生する降水の増加や気温の上昇についての解説が非常にわかりやすく,勉強になりました.英語の発表についても自身に馴染みのある分野であったことが幸いし,今までは全体を通してさっぱりだったものが,今では適宜単語が聞き取れるようになっており,内容も最低限は捉えられていたので成長を感じることができました.気のせいかもしれませんが,英語での発表(というよりも外国の方の発表?)では,北半球での海表面塩分の季節変動など,日本語でのものと比べスケールの大きな研究が大きいように感じられました.このセッションにおいては自身の興味のある分野であるだけに,私が以前読んだことのある論文の著者である方なども多くいらっしゃっており,その面でも感慨深いところがありました.
口頭発表のみならず,ポスター発表や企業ブースなどでも様々な話を伺うことができました.ポスターについては口頭発表以上に自身の興味に任せて話を伺うことができたことに加え,自身の疑問をたくさん発表者の方に問うことができました.これらを通して僕の研究活動に向けておすすめの論文を紹介して頂くなど,様々な形でアドバイスなども頂くことができ,非常に大きな学びとなりました.企業ブースについても想像以上に多くの企業が参加していたことに加え,話を伺った際,どの企業の方もとても丁寧に発表内容の解説をして頂いたことがとても強く印象に残っており,私の1の質問に対して10や100の回答をして頂き,とてもうれしかったです.
初参加,しかも慣れない関東での開催ということで初めは緊張の連続でしたが,実際に参加した後からは駆け抜けるような5日間だったように感じます.ここで書いたことの他にも様々な方とお話をさせて頂き,非常に有益な情報を教えて頂いたことや,期間中に行われたセミナーに参加したりなど,本当にたくさんの,かつ貴重な経験をすることができました.
来年も可能性があればぜひ参加したいと思います.
ここまで読んで頂きありがとうございました.
最近暖かい日が増えてうれしいです.新M2の滝川です.
新年度を迎えましたが,前年の書ききっていないイベントが大量に残っているので懐かしみながら書いていこうと思います.
ということで今回は2024年度秋季気象学会に参加,発表を行ってきたのでそれについて書いていきます.
秋季の気象学会は口頭の発表時間がとてもタイト!発表するときも聴講するときも余裕がない.自分の発表ではそれに加えてパワーポイントの設定ミスがあり,うまく発表することができず...ミスに焦ったまま質疑応答まで向かってしまい,質問の意図を理解しないまま答えてしまっていました.本当に後悔しかないです.この経験から,次の発表からはパワーポイントの確認をよりしっかり行うようにしています.
聴講しているときは内容を把握するために要旨集とにらめっこしていました.学会前にどんな発表があるか,プログラムなどの予定表はきちんと把握しておいた方がいいですね.ですが,発表時間がタイトだからこそ様々たくさんの研究発表を聴講することができたので,興味を広げるという意味ではよかったかなと感じています.
また,ポスター発表や夜の研究会は発表時間に余裕が持てる分内容を深く知ることができたのでとても印象深く残っています.特に気候形成・変動気候研究連絡会の古気候研究のお話は今でも鮮明に思い出せるくらい面白いお話でした!
福井県水月湖の古気候データのお話では,何より印象的だったのは,発表者の方(一昨日データが完成したてほやほやだったそう)自身がものすごく楽しそうに話していたことです.「年縞(年功)から何がわかるか」だけじゃなくて,これまでの研究の流れ(論文ができた後や再掘削の話)も全部熱を込めて話してくれて,聞いているこちらまでワクワクしていました.掘削では,隣も掘ってサンプル抜きのリスクを防いだり,顕微鏡を鞄に入れて飛行機で解析したりと,全身で研究している感じがひしひしと伝わってきました.また,もう一つのデータ同化のお話では,1836年からの最長の大気再解析データの作成について聴講しました.過去の気象観測データについては古文書の内容なども使用しているらしく,どんなものでも気象に活かすことができるのかと感動しました.
この連絡会から,自分の研究についての目の向け方が変わったような気がしています.発表会などを見据えて短期的な結果ばかり求めていましたが,もう少し長期的な目の向け方をして,一度の失敗でも焦らないようにしようと感じました.
後悔が残ったり,ワクワクするような発表を聞いたり,どんな経験も糧にして今後も頑張っていこうと感じる学会でした.
読んでくださりありがとうございました!次回は気象学会直後に開催されたACMについて書いていきます.
07 | 2025/08 | 09 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
2 | ||||||
3 | 4 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
10 | 11 | 14 | 15 | 16 | ||
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |