三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/
続けての投稿になります、M2の原です。
今回は北海道大学低温科学研究所で行われた共同研究集会「北太平洋亜寒帯域における大気海洋諸現象:気象から海洋生態系まで」、通称TM会に参加してきました。ここまで11月中旬とは思えないほど暖かかったのに対し、ちょうど参加のタイミングで寒くなるようで雪を楽しみに北海道へ飛びました。非常に楽しかったので色々感じたことをここに書いていこうと思います。
まずは自身の発表ですが、まだ一番伝えたいことがうまく伝わっていなかった印象です。作りたい理想の図まで作ることが出来なかったので既存の図+できたばかりの図で勝負しましたが、それよりもイントロをもっと工夫する必要があると感じました。ですが、とても多くのご意見をいただき、自身がまだ解釈の及んでいないところまでコメントを得ることができました。この討論をふまえて、より研究に集中できたらと思います!
次に他の参加者の発表ですが、テレコネクションに関する研究が多い印象でした。近年発生する多くの異常気象に対して、人それぞれ様々な視点からその答えを探しているように感じられてとても興味深かったです。特に北大西洋振動と熱帯インド洋・西太平洋の対流で冬の亜寒帯ジェットの波を増幅させたり相殺させたりするというのが面白かったです。何かが起こったから必ず寒くなる、暖かくなるみたいな教科書的なことが通用しない所に、今ここが大気海洋研究の最前線なのだと感じます。自身の研究も新しい視点からの話題提供になるようなものにできたらと思いました。他にも京都大学防災研究所榎本先生のNeuralGCMのお話がとても印象的でした。NeuralGCM はGoogle ResearchがECMWF(欧州中期予報センター)と共同で開発した気候モデルで、従来の物理法則的なモデル手法と最新の機械学習技術を融合させた点が特徴、非常に精度の高い予報ができると言われているようです。また、従来よりも計算コストが非常に小さいようです。僕自身も名前や概要だけは聞いたことがあったのですが、実際にはどうなのだろうと思っていたところでした。実際に短期的な予報精度は非常に高いらしく、驚きました。詳しい話の続きは京都大学で開催される異常気象研究会(2024年 11/27~28)でお話されるようなので、将来の気象予報に興味のある方は、ぜひ行きましょう!(僕も聴講のみですが参加します!)。
また、題目にもある通り気象だけでなく海洋に関する発表も多く見られ、気象と海洋の分野が入り混じる会でした。時間も学会のように厳密ではなく、とても和やかな雰囲気で研究を楽しむということが体現されていた時間だったなと思いました。そんな中で自身も様々なコメントを頂けて、とても有意義な時間になりました!頂いた意見を参考にしつつ、頑張りたいと思います。
最後に旅中での1番綺麗だった北海道の写真を載せておきます。ちょうど雪が降るタイミングで、北海道が雪景色に変わる瞬間を感じました。この時期の降雪は紅葉も一緒に見れて最高ですね!
ここまで長く読んでいただき、ありがとうございました。
お久しぶりです、M2の原です。今回はつくばで行われた気象学会2024秋季大会に参加してきました。全体を通して非常に沢山の発表がありましたが、今回は低気圧の専門分科会「多様な低気圧とその影響の包括的な理解にむけて」というタイトルで多くの高低気圧研究が発表されていました。2月下旬に行われた高低気圧ワークショップでの討論の中で、「次の気象学会では高低気圧の専門分科会をやろう」という話はすでに出ており、その時はここに発表できれば最高だろうなと密かにモチベーションにしていたのですが叶わず、せめて聴講だけはと息巻いていました。専門分科会に限らず非常に沢山の話題があり、特に気になったものを書いていきたいと思います。
まず気になったのは台風強度について話された研究で、新しい強度推定の方法についての研究です。現在の強度推定は人の目によって行われており、経験、主観的なものが一般的ですが、より客観的なものにしようというものでした。自身でも台風のベストトラックデータにはお世話になっていますが、それがどのように作られているかを自力で調べるのには手を焼いており、とても勉強になりました。低気圧の強度をどのように比較するのか、ベストトラックデータと単純に比較できるのか、自身の研究にとっても有意義な時間になったと思います。
次に専門分科会の方ですが、まず気象大の北畠先生の招待講演です。北畠の名前は温帯低気圧を調べているとよく目にするので知っていたのですが、ちゃんと対面で見たのは初めてでした。現業の気象解析についてお話されていたのですが、研究で行う解析と現業で行う解析は趣旨が全く異なるのだと知りました。研究は自分の興味のある部分をじっくりと解析するのが普通ですが、現業となるとかなりのスピード感が求められるのですね。また一般の方でも分かるような解析や解説が求められるそうで、より詳しくて難しい解析をすると、次の担当の人や情報提供先の人が理解できないということになるんだそうです。考え方の違いがとても面白く、これは発表で人に伝える際にも重要なことだなと思います。説明する図は簡単な方がいいですし、難しい解析が偉いというわけではないことは立花先生からも日頃言われているところです。次に京大防災研の吉田先生の発表では今年の夏に行われた新青丸の航海での観測を発表されていました。この船には研究室の同期が2人乗っていたので名前が載っているのを見て、勝手に少し喜んでいました。他にも多くの発表がありましたが、書き出すとキリが無いのでひとまずこの辺で。
ポスターですが、多くの発表がある中で一際異質だったのがベナール対流の再現実験をしていたところです。適度に温めたお湯とクリアファイルで上手に温度勾配を作り、上からクリアファイルで蓋をすることで再現していました。視聴者参加型の実験をされていてオリジナルのベナール対流を作ろう!ということで非常に面白かったです。桶とお湯、クリアファイルでできるとのことで今度家でもやってみようと思いました。
せっかく筑波に来たので、筑波大学も散策してきました!とにかくすごい広さで驚きました。どこまで行っても大学の校内で、校内の移動なのにバスを使う場合もあるようです。三重大も広いと思っていましたが、一桁違うスケール感でした笑。筑波山の方にも行ってみましたが、筑波を広く見渡せて綺麗でした。
一日目
現地に到着すると,あたり一面にいる野良ウサギが我々を出迎えてくれました.野草などの他に観光客の方が餌をやることで食事を行う,半野生といった形で生息しているそうです.ウサギ自身も人を「ご飯をくれるもの」と認識しているようで,島の屋外にいるとしょっちゅうウサギが餌を求めて足元にやってくるのが印象的でした.また,ウサギが掘ったものと思しき穴や,その穴に転がる「食事の痕跡」もたくさんあり,多くのウサギを感じられました.
初日には,自己紹介が終わった後にポスターセッションが行われました.対面で行われるポスターセッションに参加するのは初めてであったため,初めはどのようなものかわかりませんでしたが,口頭発表と比べて小規模な範囲でおこなわれていて非常に話が聞きやすかった印象を受け,すぐに慣れることができました.また口頭発表の際にはなかなか勇気のいる,質問に関しても伺いやすく,単語の説明から内容についての質問など,思ったことを様々に伺うことができ,それぞれの発表内容の理解を深める非常に良い勉強の場になりました.ポスターセッションでの内容そのものに関しても,気象についての研究の他にも,海洋に関しての研究や,気象と生物の関わりについての研究など,様々な研究を知ることができ,とても貴重な学びを得ることができたと感じました.
二日目
二日目には,朝食の後に学生による口頭発表,およびJAMSTECの野中さんによる招待講演が行われました.野中さんの講演では,”気候系のHotspot” projectsということについてのお話を伺い,Hotspot projectがどのような変遷を経て今に至るのか,中緯度における海洋がどのように気候に影響するのか,といったことについて学びました.また,学生時代に自身の研究をしっかりやり遂げることの重要性や,海外で学ぶことの価値についてなどもお話頂き,私が近い将来行う研究活動や,海外での活動に対しての認識を再確認することができました.
午後からはグループワークということで,事前に振り分けられた班の中で与えられたデータを解析し,それを基にしたクイズを作成しました.プログラミングを用いてデータを出すということを初めて行ったので,データがグラフとなって出力された際にはなかなかな感動がありました.また,このグループワークでは他の班の方に様々な場面で引っ張って頂き,上級生の方々のすごさを改めて感じることができました.
また,夜には宿の裏にあった山を登りました.周囲に明かりがほとんどなかったこともあり,とてもきれいな星空を眺めることができました.また,山の上にもウサギがおり,にんじんを噛む力の強さや人に対しての警戒意識など,麓のウサギとの違いも楽しむことができました.
三日目
三日目について二日目と同様,学生による口頭発表と広島大の岩本さんによる招待講演が行われました.普段僕が耳にすることの少ないエアロゾルに着目した研究ということで,雲の色とエアロゾルの数との関係や,船上でエアロゾルを観測する上での特徴的な注意点など,ここで初めて学ぶようなこともとても多く,非常に新鮮な心持ちで話を伺うことができました.
この3日間の活動を通して,初めて会う方々との様々な形での交流や,研究分野を横断した多くの研究発表に触れる機会など,本当にたくさんの機会に恵まれることができました.それらの機会を生かし,自分の糧にできたように感じられて満足しています.
また,前回の熊野での参加を終えた際に次回の課題とした,積極的に質問を行うという点についても,ポスター発表に限らず,口頭発表の際にも一度質問することができ,成長を感じることができました.今後においてもそれぞれの機会で何かしらの成長を感じていけるよう,日ごろから基礎となる知識をより多く身に着けるようにしていこう,と感じました.
最後まで読んでいただき,誠にありがとうございました.