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地球日記

三重大学 / 気象・気候ダイナミクス研究室の1コマ → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/earth/index.htm → https://atm.bio.mie-u.ac.jp/

   
カテゴリー「観測」の記事一覧

勢水丸2213航海@東シナ海・黒潮上

船の縦揺れをジェットコースターのように楽しんでいたのは1時間だけ。あとは耐える日々…
お久しぶりです。
卒論と院試で充実した日々を過ごしている(追われているの間違い…?)学部4年の山田です。
今回は新学術Hotspot2、線状降水帯の予測精度向上のための4隻同時観測に三重大練習船「勢水丸」に乗船し、観測してきたことについて書いていきます!ただ10日間(6/15〜24日)と長い航海だったので、
【初日〜3隻同時観測前夜】,【3隻同時観測】,【3隻同時観測後〜最終日】の3パートに分けますね。
【その前に、まず知ってほしいこと】
勢水丸に乗船した観測メンバーは
立花先生、新潟大の安藤さん。
学生は竹端さん、天野さん、佐野さん、自分。
テレビ朝日から記者の川崎さん、カメラマンの古川さん。計8人です。
8人で観測?いや、カメラマンと先生はワッチに入れないので6人。→8時間担当・4時間休憩
このワッチで10日間、かつ19~20日にかけて24時間観測??想像してごらん.他の船の記事と比較して.(学生4人ともガッツリ運動部経験者の体力オバケだったことが乗り越えられた理由ですかね笑)
【初日〜3隻同時観測前】
15日の10時前に出港!空は蒼く澄み渡り、海は穏やか、なんてことはなく、曇天のなか船旅は始まりました…。
伊良湖水道を越えてから意味わからんほど揺れましたね。先輩2人ダウンしてましたし、あんなにゆれる経験はないと思いますし、もう嫌です。本当に…。
なんとか揺れも落ち着き、観測できるようになったのは16日の夜。それまではご飯食べて揺れに耐える生活が続きましたが17日に以降は揺れにも慣れ、ようやく観測開始!

〈デッキ〉
まず放射温度計で空と海と温度を測り、バルーンの準備を始めます。ここで大変だったのは圧力計の示す値が注入したら変化することが何度かあり、そこまで信用できなかったので、バルーンの大きさとヘリウムの注入量の関係を経験で覚え、それを頼りに調節していたことですね。
〈オペレーター〉
ひとことで言えば慣れたら早いけど、慣れるまではやること多すぎ!って慌てていました…。ゾンデ点検、データ安定しているか、放球後はXCTDの準備、同時に野帳も。しかも1人で。自分は慣れるまで時間かかりましたけど、先輩や安藤さんはすぐに慣れていたのでかっこよかったです!
雨の中、風のなか、深夜2時半、どの環境でも放球できるように3時間観測もしましたし、ひと通り覚えて、24時間観測前には学生たちで考えた観測ルーティンで練習したりと成功させるための準備を念入りにしていました!ここに関しては抜け目なくできたと思っています!
〈想い出〉
・初見です,野生のイルカ,群れの姿
・イリジウム,知らない間に,40万
【3隻同時観測】
・19日8時半、ついに三重、長崎、鹿児島大の3隻による「3隻同時格子点観測」の始まり始まり。
陸上支援から届いた予報に合わせて雨雲に当たるように調整したことで、がっつり雨雲に的中!特に前半は雨が強く降るところ、風が急変するところを観測できたと思う!当時は他の船のことよりも自分が失敗しないことだけを意識していたかな。天候の良し悪し関係なくずっと集中していたと思う。デッキかつ電文担当だったので移動が大変でしたね。(この辺りも体力オバケで乗り切ったかな?笑)
後半は前半に比べて天気は落ち着いていたが、夜間の観測であることくらいは気にかけて、あとは問題なく観測できたかなと.
そして最終地点の放球も成功させ、24時間観測全地点成功という見事な結果を叩き出せました!(観測メンバー基本的に6人!ここ重要!笑)
〈想い出〉
・豪雨時、観測中は、幸運時
【3隻同時観測後〜最終日】
・無事、24時間観測を終え、気も張っていたこともあり、疲れからかその日の夕方までは熟睡してましたね。回復後は雨雲を求めて移動し、定点観測を宇治群島という聞いたことない場所で行いました。ただうねりがひどく、ここで航海中最大の揺れとなる左に30度傾き,先輩のパスタはひっくり返り、ディスプレイの落下にやって角がかけるなど、初日と同じくらい揺れていましたね。ただ、そこは人間の進化ですかね、揺れの適応能力が全員向上しており、死んだように倒れている人はいなかったと思います。
その後、逃げるように群島を離れ、夏至の夕焼けに感動し、屋久島バックに記念撮影やゾンデ放球も行いました!CTD観測も行い、ゾンデ観測もオペレーターを担当しまくって、デッキもオペレーターも完璧になれたと思います。

〈想い出〉
・3・2・1,放球・離した..,「あ゛~」響く
・打ち上げだ!,飲酒たったの,30分


【まとめ】
はじめに,事前準備から陸上支援をしていただいた気象庁の職員の方々や各大学の研究者・学生の方々,各船の船員さん・観測メンバー全員が一丸となり,このプロジェクトに取り組んだことが世界初の観測を成功させることができたというのは言うまでもありませんが,これらすべてのサポートがなければ観測成功させることは難しかったと思います.改めて関係者のすべての方に深く感謝を申し上げます.大変お世話になりました.

そして大切なのはここから.この観測に実際に乗船した経験を忘れず,得たデータの解析もできる限り参加していきたいと思っているので,観測して終わりということがないように気を引き締めて研究を続けていきたいです.

卒論・院試・予報士試験・シンポジウム・学会...充実してますね!!!
頑張ります!(体調だけは気をつけます)

今回の観測の映像がテレビ朝日の「スーパーJチャンネル」にて放送されました!YouTubeでも視聴できますので是非ご覧あれ!
URL:調査船に密着取材 見えてきた線状降水帯の発生メカニズム カギは黒潮に…(2022年7月20日)

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梅雨観測(念願の勢水丸航海)@東シナ海・黒潮上

おばんです~
陸酔いから解放されたものの,今度は夏バテ気味.M1天野です.

615()24()に,梅雨観測を行ってきました.

梅雨前線・線状降水帯の観測に加え,この観測では取得したデータを随時気象庁へ通報も行いました.
自分たちで取得したデータが,リアルタイムで予報値に組み込まれ,予報の精度向上に活かされていくなんて…今振り返ってもすごいことだなと改めて感じます.

また,長崎大の長崎丸,鹿児島大のかごしま丸,三重大の勢水丸の
3船が,列をなし,同期しながら高密度観測を行うという,前代未聞(!?)の観測も行ってきました.

私は,三重大勢水丸のメンバーとして参加.
勢水丸は,コロナ禍で乗船人数が制限されているため,他の船よりも少ないメンバーで奮闘してきました!
出発前は人数が少ない分,大変な観測になるな,しんどいかな…と思っていたものの,航海中・後には「少数精鋭部隊だからこそ頑張れたな」と何度も思いました.

1人1人が観測のプロになって帰って来れました!(嬉)

乗船中ちまちま書いていたメモ書き日記を記します.

 
---------------

14()
前日の積み込み作業を行いに,勢水丸へ.
荷物の積み込み・機器類の設置・回線の確認等を行った.
外はどしゃぶりの雨,風が強い.
明日は低気圧通過に伴って,海が荒れる予報らしい.

   

15()
いよいよ出発!抗原定性検査,全員無事陰性.
船に乗り込む前にきちんとアネロン服用.出港直後は元気.
ったが,伊勢湾を出るあたりから徐々にグロッキーに.
予報通り低気圧のせいで海が大荒れ.(20度近く揺れていたらしい

初めての伊良湖水道,楽しみにしていたのに…
全然動けないし,まともな食事が取れない.
(この日は生きるのに必死でした)

16()
海は落ち着いているみたいだが,体がまだ船になれていない.気合いを入れればそれなりに起きて活動できるものの,ミンティアとガムが欠かせない.

黒潮上を航行中.午前中に3度観測.勢水丸はオペレーター1人,放球隊3人という人員配置.
ゾンデ放球→バケツ採水→XBT/XCTDの流れや,巻下器を使用した放球の仕方を確認.

1回目の際にイルカの群れが見れた.2回目にオペレーター1人で挑戦,てんやわんやしないように11つ確認しながら.本番ゾンデと予備ゾンデを同時進行で準備するとなると,だいぶ忙しい,早く慣れたい.

午後は
4回観測,繰り返しやったことでオペレーター・放球隊どちらもやれる自信がついた.

  

20:00〜ワッチ開始,6時間ごとの観測を行う予定.
最初の放球(20:30)をしっかり成功させられた&気象庁への通報もばっちし.

←通報時の様子


17()
早朝,イルカたちが船と一緒に泳いでいる様子が見れた,船が走るときにできる波で遊んでいるらしい.
朝それなりに食欲がある,お粥が量食べれるようになった.

早朝に屋久島付近を通過しトカラ列島付近に.しばらくここにとどまる予定.
まとまった雨が降りそうということで,夜20:30〜翌朝8:30までは3時間観測に.
ここまで,寝たり食べたりがまともに出来ていないので,体力的にだいぶキツい.

 

18()
8:306時間観測に戻る,今日は一日海が穏やかな日だった.
揺れにも慣れてきたし,食欲も出てきた.普通のご飯をいっぱい食べられるようになった.
船に乗ってから,毎日魚を食べている.朝食は必ず焼き魚が出る,とても贅沢.

ブリッジにも長時間いれるようになったし,CTDのオペレーターやブリッジ野帳の記入もできるようになった.

 

明日の集中観測が予定通りの時刻から実施されることが決定.
14:30の観測後,全員で具体的な流れを確認.高密度観測を模した練習ということで,19:30/20:30/21:30と、1時間ごとに計3回観測を行った.
穏やかな海・ほぼ無風という状況で「嵐の前の静けさかな?」と思った.
 
・暴風雨の場合でも決めた流れであれば問題ないこと
ハプニングがあってもある程度であれば取り返しがつくこと
・流れをきちんと守れば予定時刻どおり放球、通報を行うことが可能であること

が確認できた.全員で共通認識を持てたことで更に自信がついた.
今晩は深夜2:30放球はなし,明日に向けて全員早めに休むことに.

  tachi ballon 2213航海ver.(巻下器もついてる)

船はトカラ列島付近を離脱し,3船同期高密度観測の最初の地点へ向かっている.


19()
8:30~高密度観測スタート.
長崎丸,かごしま丸に乗っている三重大メンバーも,一緒に観測しているんだ…!と思うと,なんだか更に頑張れる.

最初の6回が無事終了.順調に進んでいる,インターバル走をしている感覚.(11回必死なので記憶があったりなかったり)

オペレータとして入るときは,1人での作業のため地味に緊張する.
観測と観測の間の時間は体力温存のために横になって休憩orご飯を必死に食べる.

天気がコロコロ変わっている印象,激しい雨が降っていたかと思えば,ピタっとやんだりもする.海面水温の測定結果が面白い.

 


20
()
朝5:30~最後のround.自分がオペレータとして入ったときに,ちょっとしたトラブルもあったが,落ち着いて対処できた.ラスト1回は,学生4人で放球.


最後まで失敗無く無事やりきれてホッとしている.
お昼の「手こね寿司」(三重県名物)が本当に美味しかった,最高のご褒美.
午後はぐっすり寝た.

 

20:30〜観測再開.
夜みんなでトランプをし,ビールで乾杯.うま!
 

21()
宇治群島付近に停泊中.昼間は3時間観測.

 

1時間観測と比べると圧倒的に余裕があるので「え,こんなに休んでいいんですか?」となる.
船は午後から屋久島付近へ移動.今日は夏至,夕焼けをコンパスデッキからみんなで見た.

  
 


22
()
種子島・屋久島付近で観測.
 
屋久島をバックに放球した,映えますね~
放球時の様子

黒潮上だから?晴れているから?か蒸し暑い.雲が少ない空.
先日までの荒れた海はどこへやら.おだやかな海.

その後,種子島・屋久島の間を抜け,17時頃黒潮にのった.
帰りは黒潮にのって,ピュッと帰るぞ~
離脱時の様子

3時間毎観測を行っている.相対風速がほぼ0m/s(ラグランジュ的に観測を行っていた…!)
今日も夕日がきれい.20:30の放球後,コンパスデッキから星を見た,天然のプラネタリウム.

 

23()
引き続き3時間毎観測.今日もすごく暑い.

↑ラスト放球前に,個人個人の記念撮影会をした.
 みんなキメキメ&ノリノリ

 

14:30に最後の放球.
無事最後までやりきれてホッとしている.
片付けにてんやわんや.15:30頃に潮岬通過.

 

24()
8:30,松阪港へ帰港.
満足の行く観測をして帰って来れたことが嬉しい!

 


---------------


以上がメモ書き日記全文です.

立花先生をはじめ,
気象庁の方々や簡潔な情報を届けてくださった陸上支援の皆様
安全第一で航行してくださった船員の方々
荒波・雨風を共に乗り越えた勢水丸観測メンバー
準備から片付けまで一緒に頑張ってくれて送り出してくださった研究室メンバー

全ての方々と共に,無事,世界初(!?)の観測を成功出来たことを本当に嬉しく思います.
改めて関係者の皆様に深く感謝申し上げます.

長崎丸・かごしま丸のデータも合わせたらどんな様子が見れるのか...
ワクワクしますね.
また,現場での観測,実際に体感することの重要性も感じました.
百聞は一見にしかず.

また,
初日はグロッキーすぎて,動けない自分が情けなくて本当に絶望に暮れていましたが,徐々に船での生活に慣れていき,「人間の適応能力ってすごい」と身をもって感じました.

また機会があれば観測に行きたい!
そう思えるほど,実りある10日間になりました.

今回はこのあたりで.

写真提供:安藤さん,竹端さん,佐野さん,山田さん

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長崎丸・鶴洋丸航海@東シナ海

航海を終え、三重に帰ったらすぐに梅雨明けしました。
ベストなタイミングで観測できましたねぇ・・・。

こんちゃ!
M1の山本です。

今回は、6/18~22の長崎丸航海と6/22~24の鶴洋丸航海についてお話しいたします。

◇長崎丸(6/18~22)

こちらは、自分を含めて4人の学生が立花研から参加しました。
自分の初めての航海観測は勢水丸に乗るものだと思っていたのですが、
今回私が乗ったものはそれよりも大きな長崎丸でした。

3ワッチ制のもと、私は8-0ワッチ(8時~12時と20時~24時)になりました。
このワッチでは、万田先生がエキスパートとなり、
XCTDのオペレーターはほぼ任せっきりになってしまいました。
(万田先生、すみません・・・。)
私はワッチ長でしたが、しっかり仕事できてたかな・・・?

他のワッチでは天気が悪く荒れた時間もあったそうですが、
とにかく我々のワッチは穏やかな天気の時が多く、これは本当に梅雨期観測なのかと
思うほど天気の良い時もありました。

観測を行っていない時間は、他の大学の皆さまと交流を行い、
同じワッチではない人とも仲良くなることができました。

今回の長崎丸の観測での印象ですが、院生以上よりもどちらかというと学部生
の活躍がすごくて、まだまだ負けてられないなと思うことばかりでした。

◇鶴洋丸(6/22~24)

長崎丸での観測が終わり、三重港(長崎にあるけど三重)に着岸した22日。
観測機器や荷物などを長崎丸よりも二回りも小さい鶴洋丸に積み込み、
長崎丸メンバーと別れて出港しました。

鶴洋丸では観測メンバーは9人で2,3人一組のペアワッチが組まれました。
また、長崎丸では海洋観測でXCTDを行いましたが、鶴洋丸では天候の悪化が予想され、
五島列島の中通島にある有川湾での定点観測になったため、水深が浅い海の測れるSmart-ACTで海洋観測を行いました。

ゾンデ観測は3時間ごとで4~5人ですべての観測を行ったので、オペレーター隊も一人で
行いました。
定点観測のラスト2回は、ヘリウムも余っていたので通常使っている100gの気球ではなく、
350gの気球でラジオゾンデを揚げました。

通常時だと対流圏最上部までぎりぎり届くくらいで気球が破裂し、落下していくのですが
350gの気球を使用するとなんと高度29kmの成層圏まで届き、揚げてよかったなと思いました。

また、観測とは別のお話ですが鶴洋丸はご飯がとてもおいしく、有川湾での定点観測時に船員さんが釣ってくれたお魚の刺身をお裾分けしてもらいまして良い思いをしましたねぇ・・・。


鶴洋丸は揺れるぞ!といろいろな人から脅されていましたが、停泊しているとき”は”揺れませんでした。
観測の終盤、低気圧の接近が予想されたため予定よりも早く切り上げて、長崎市沖へ戻ることになりました。そのときの揺れが半端じゃなく、酔いましたね。

食べたものの中身がすべて消えてしまいましたが、命からがら翌朝に三重港に無事接岸・・・。

約1週間の観測航海でしたが、いろいろな思い出ができました。
この場を借りて、この航海に連れて行ってくれた立花先生と携わった全ての皆さまに厚く御礼を申し上げます。

ブログ読んでくださってありがとうございます。

拍手[3回]

長崎丸航海@東シナ海

こんにちは、B3の舩橋です。

今回は、6/18~22に実施した長崎大学の練習船・長崎丸の東シナ海観測航海について投稿します。

この観測は気象庁などと共同の研究で、多数の観測船で梅雨前線の直接観測を試みるという非常にスケールの大きなプロジェクトです。私が乗船した長崎丸も全国の様々な研究機関から研究者・学生が乗船していました。私は少なくとも長崎丸の乗船者の中では唯一のB3で最年少。このような大きな観測にB3で携わる機会をいただけたことを感謝しながら観測に臨みました。



〇観測準備(~6/17)
観測船ではラジオゾンデをはじめとする大気・海洋の様々な観測を実施します。ラジオゾンデは5月の潮岬ゾンデ練習会での経験や気象庁・メーカーの協力を得て、先輩方にマニュアルを作成していただきました。このマニュアルはミスが起こりやすい細部まで丁寧に記述されており、観測成功に欠かせないものとなりました。
また、長崎丸で使用する三重大学の気象観測装置の事前点検にも立ち会いました。
自分にとっては初めての本格的な観測だったため、こうした観測前の様々な準備を間近で見たり携わったりすることができたことも貴重な経験になりました。

観測前日、長崎丸では観測機器の設置作業がありましたが、事前の入念な準備と晴天に恵まれたこともあり、スムーズに行うことができました。


〇航海中(6/18~6/22)
観測は12時間を1ワッチあたり6人の3ワッチ制で回す形式でした。私はゼロヨンワッチと呼ばれる0時~4時、12時~16時の担当となりました。ゼロヨンワッチは他のワッチの時間帯と比べてなぜか雨や風が強まることが多く、難しいコンディションでの観測となることがありましたがやりがいも多くありました。

観測はラジオゾンデ放球のタイミングの指示など全体を統括するゾンデオペレータとラジオゾンデを実際に放球するバルーン隊があり、バルーン隊の中にはさらに海洋の状態を調査するXBTの観測担当とそのオペレータ担当などワッチ内で様々な役割があります。私は4泊5日の観測航海の期間中にほとんどのポジションを経験させていただき、特にゾンデオペレータは1人でも難なくこなせるほどの回数を経験させていただくことができました。

また、今回の観測では他大学の方とたくさんのお話をすることができたこともかけがえのない経験の一つになりました。乗船者は全員が私より年上ではありましたが観測の合間や食事の時間、自由時間でのカードゲームなどで皆さんがフレンドリーにお話してくださり、本当に楽しい時間を過ごせました。今回観測でご一緒させていただいた先輩方とまたお会いできる日がもう今から待ち遠しいです。



三重から1000キロ近く離れた四方八方見渡す限り海が広がる船からの観測は非日常そのもので、しんどさをはるかに上回る楽しさと充実感を覚える観測でした。改めて、これほど大規模な観測に参加する機会をいただけたことをうれしく思います。
この観測では准教授、研究員、博士課程、修士課程、学部4年生と様々な立場の先輩方と交流でき、
瞬時に得たデータを解析する技術を見たり、先輩方のアドバイスを伺ったりと、尊敬することや今後の人生の参考になることが本当に多くありました。私は春から研究室に配属されたばかりでまだまだ勉強すべきことだらけですが、今回の観測で出会った先輩方を目標に、今後も知識や技術を積み重ねていきたいと思います。そして、数年後、私と同世代やその下の世代が観測の中心となった際に、この観測に参加した者としてこの経験をしっかりと伝え、引っ張っていけるような人材になれたらと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。

拍手[4回]

長崎丸航海@東シナ海

みなさん、こんにちは!M1の恒川です。


6/18(土)~6/22(水)の5日間、長崎大学の所有する長崎丸に乗船して東シナ海上で観測してきましたのでその模様をお伝えします。

長崎丸は全長68.93mのとても大きな船で、乗船中の揺れが少なく、ほとんどの時間を船酔いせずに過ごすことができました。今回が初めての乗船観測だった僕には体調面でとてもやさしい船でした。乗船した作業人数も多く6人3ワッチ体制で、自分は4-8ワッチのワッチ長を務めたため、より緊張感をもって臨みました。

ゾンデ放球ではオペレーター2人と放球班4人に分かれて作業を行いました。オペレーターの役割は放球するゾンデの良不良点検とタイマーの設定、放球タイミングの号令です。放球した瞬間にその時の気象要素を野帳に書き込むため、一番あわただしくなっていました。その後、順調にデータが取れたら、気象研に送る電文の作成・送信を行います。これが今回の観測における一連の流れになります。

放球隊はバルーンを膨らませて放球可能な状態に準備し、合図とともに放球することがメインの仕事です。しかし、放球後すぐXCTDによる観測を行っていたため、バルーンを抑えるのを乗船実習生に手伝っていただくなどしていました。オペレーターと比べると短い時間でたくさんの作業を行う必要があり、少しの遅れがより全体に響いてしまうと感じました。

いろいろな大学の方々ともたくさんお話ができ、楽しい航海でした。

とても貴重な機会を下さった立花先生、長崎丸の観測代表者である長崎大学の滝川先生、航海の安全と観測への多大なご協力をしていただいた長崎丸の乗組員の方々、他のこのプロジェクトに関わっているすべての皆様に感謝いたします。


それでは

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プロフィール

HN:
三重大学 立花研
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
気候について追求する!
自己紹介:
三重大学 生物資源学部
共生環境学科
地球システム学講座
気象・気候ダイナミクス研究室です。

・普段は興味のある気象・気候について研究しています!!

・研究室への質問疑問などなどがありましたら、コメントでも拍手でも構いませんので遠慮なくカキコお願いします!(^0^)ノ

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